エッセイコーナー
377.明仁上皇の一首  2019年5月3日

一つの時代が終わった。
元号が「令和」に変わり、30年間慣れ親しんだ平成が終わった。
と云うより、前天皇、皇后両陛下が公の場に出なくなったことに、一抹の寂しさを覚えずにはいられない。
被災地に幾度となく出向かれ、被災者の目線に立ち、ご高齢や体調がすぐれないにもかかわらず被災者を励まされておられた。本当に頭が下がる。
兎にも角にも、今後はご自身のことのみをお考えられ、ゆっくりと休まれていただくことをただただ望むばかりである。

明仁上皇が平成天皇に就かれる前、
御製:「語らひを重ねゆきつつ気がつきぬわれのこころに開きたる窓」と云う一首を詠まれた。

国民の目線に立ち、国民に寄り添い、国民と共に歩もうとされる、慈愛の心と誠心の念がその一首に込められている。
令和天皇にもその博愛精神が引き継がれ、受け継がれることであろう。
平成30年間を振り返ってみると、色々な出来事があった。
なかでも自然災害は枚挙に遑がない。特に、ここ岩手南地方に関連する災害では、平成5年の大冷害では、作況指数30%以下、100年に一度と云われる戦後最悪の凶作となった。
平成14年7月10日の台風6号では、東山町などに記録的な被害をもたらした。

平成20年6月14日発生の岩手・宮城内陸地震では、祭畤大橋の崩壊など、59箇所の路面崩壊や亀裂、陥没など大きな損害を被った。
そしてその3年後の平成23年3月11日、国内観測史上最大となるM9.0の巨大地震が発生した。
それに伴い大津波が発生し、死者行方不明者2万2千人の尊い命が奪われた未曾有の大災害、東日本大震災を決して忘れることはできない。

それらの自然災害により、多くの被災地、罹災者を出すなど、痛ましい災害事故が記憶として鮮明に残っている。もうこのような惨事は御免こうむりたいと思う。然しながら自然災害は致し方なしである。
問題は人災にあり。東日本大震災では福島原発事故によって今尚故郷に戻れず、無念さを噛み締めながら避難している人たちが未だに大勢いる。
津波被災者を含めると4万8千人(平成31年4月9日時点)もの避難者がいると云う。

これは明らかに「人災によるもの」と云っても過言ではあるまい。
憲法改正云々など、絶対に避けなければならない筈の他国との武力闘争に巻き込まれるようであっては、決してならない。令和に入った今も、このことだけは決して妥協してはならない。
今日は令和初の憲法記念日、改めて感慨が更に深まった次第である。


フォト短歌「平らかな世の中」  


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