エッセイコーナー
711.安心安全なエネルギー供給を  2022年7月30日

脱炭素化や電力需給の逼迫を抑える為に、東京都は再生可能エネルギーを導入し、都内の新築住宅に太陽光発電設備の設置を住宅メーカーに義務付けるとのこと。その為の関係条例を年度内に改正する意向のようだ。
5Gなどの普及に伴い、電力供給量の増加が問題視される今日、賢明な判断だと云えるのかもしれない。
問題は建築主に対するコスト上昇の懸念をどう説明、説得するかだ。
通常一般的戸建て住宅へのパネル設置は、大凡100万円程度必要だと云われている。
東京都は電気代の節約による長期的なメリットを重点的に訴えるとのこと。
また、設置に伴う補助制度の拡充も検討しているとのことである。

確かに、脱炭素化、電力不足解消など、全国に先駆けての画期的な電力行政は評価出来るのではないだろうか。
ただ、本来ならこのようなエネルギーのインフラ問題は、自治体単独での事業ではなく、国が率先して行うべき重要案件の一つである。東京都は財政が豊かだから可能だと云えようが、他の自治体では難しいと云わざるを得ない。
また、エネルギー問題として避けて通れないのが原発問題がある。
高濃度の核廃棄物処理が、どこに、どうやって処理されるか未だ正確に決まっていないなか、国は原発稼働に前向きである。確かに、脱炭素、電力需要の逼迫を解消する上でも原発に頼らざるを得ない状況は理解できなくもない。
しかしながら前述したように、先ず廃棄物処理問題を解決することが優先すべきであって、トイレなきマンションには誰も住みたくはない。
あれ程迄に苦しみ、苦しめられた福島原発の大事故、まだまだほとぼりは冷めていない筈なのだが・・・。

再生可能なエネルギーと云えば、太陽光発電や風力発電が一般的だが、河川の水流を利用した小規模な水力発電を見直し、どんどん利用すべきである。
私の地元一関市でも、照井土地改良区が管理する開放型らせん水車発電が稼働している。発電の最大出力は19.9kw、馬力で云えば約27馬力。音も静かだ。
何より水流の利用は無尽蔵である。下流なり上流なりに、1機、2機、3機と、その気になれば何機でも設置可能だ。
民間に全て丸投げするのではなく、貨幣観を正した上で、積極財政を謳いながら、通貨発行権を有する唯一無二の国の介入が、エネルギー問題を根本から解消出来るのではないだろうか。
長期的な視野に立ち、安心安全、賢明なエナルギー対策に国は注力を注いでいただきたい。

634.開放型らせん水車発電  2021年10月22日


フォト短歌「雨後の紫陽花」  


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