エッセイコーナー
274.呆然自失  2017年12月9日

呆れたもんだ!
中国の首都北京市南部の新建村で、11月18日発生の火災により、簡易宿泊所に暮らす子供8人を含む19人が煙火の犠牲となった。その火災事故が発端となり、北京市は周辺1km四方の住人に対し、違法建築を理由に立ち退き命令を下した。
猶予期間は僅か数日のみ。あっという間に瓦礫の荒地へと変貌した。
退去命令を下された殆どの住人は地方からの出稼ぎ労働者である。あてもなく路頭に迷っているとのことだ。
人を人とも思わぬ冷徹な行政の強制執行には只々呆れるばかりだが、呆れた話はこればかりではない。

ドナルド・トランプの呆れた言動や行為には、誰もが唖然となり、怒りすら覚えたのではないだろうか。
「パンドラの箱を開けた」と世界各国の常識者から怒りのシュプレヒコールが上がっている。ただ単に、大統領選当時の公約を遂行したと云うことだけなのか。
娘婿のジャレッド・クシュナーが、数ヶ月も前から関係者と協議を重ね、イスラエルとパレスチナの和平交渉に心血を注いでいた矢先とのことだ。
エルサレムをイスラエルの首都と宣言することについては、確かに、1995年にエルサレムをイスラエルの首都と定める法律が米国議会で成立してはいる。

しかしながら、推進派のジョージ・ブッシュやビル・クリントン元大統領など歴代の大統領は、安全保障上の問題や外交上の懸念を理由に同法を保留し、延期してきた経緯がある。
トランプはイスラエルとパレスチナ双方に和平合意のために尽力すると云ったそうだが、当然パレスチナ側、イスラム教徒からの反発は言論だけに収まる筈はない。
公約遂行の為とは云え、あまりに無神経で身勝手な言動、行動には只々呆れるばかりだが、そんな人物を友人として扱う日本のトップにも失望せざるを得ない。

日本の置かれた立場として、日本海を挟み緊迫した状況にあることは確かであり、「核の傘に隠れたい」と思う気持ちも理解できない訳ではない。
しかしながら、日本は独立した主権国家であり、アメリカの51番目の州でもなければ属国でもない。
対等の立場で、安倍総理や日本政府はトランプに苦言を呈しても良いのではないだろうか。


フォト短歌「トランプよ」  


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