エッセイコーナー
291.平成29年度一関地区自主防災組織連絡協議会第3回研修会  2018年2月19日

昨日の午前中、ベリーノホテル一関を会場に一関地区自主防災組織連絡協議会の研修会があった。
研修の内容は、災害時に於ける避難所の設営をゲーム形式(HUG)でシミュレートすると云った内容だった。
テーブルを囲み、6・7人のグループに分かれ、アイスブレイクで緊張感を解きほぐした後、前もって用意してあった避難所(学校)の図面上に、受付の位置や掲示板の設置場所、届けられた支援物資の保管場所等々、内容が明記されたカードを置く作業だった。なかでも一番迷ったのは、避難所に駆け込んでくる被災者のスペース確保だった。

色んな条件、事情を抱えた被災者がやってくる。病人や怪我を負った者、年齢も様々で100歳近い高齢者や日本語を理解できない外国人などなど、避難所となる体育館にただ無造作に案内する訳にもいかない。
簡易トイレの位置や、空調の条件等も考慮する必要がある。テーブルを囲んだ7人の意見を交えながら、限られた時間内に割り振りをする必要があった。
今回は机上でのシミュレートなので、約1時間程で200名以上の被災者のスペースを確保したが、実際その状況に直面したならばこうスムースにはいくまい。

私達のグループの中に、東日本大震災の折、仙台市内の小学校に実際避難された経験者がおり、実際の状況を説明してくれた。
想像を絶する程かなり悲惨な状況であったようだ。
初めのうちは校内のトイレを利用していたそうだが、電気が通わず、水が出ない状況の中で、数百名もの人が代わる代わる用を足すとなれば直ぐに想像がつく。廊下にまで汚物が溢れてきたそうだ。
その為急遽校外に穴を掘るなどして急場を凌いだとのこと。

また、広い体育館と云えどもスペースは限られており、一人に付き3㎡のスペースのみ。
プライバシーの侵害云々を論じる余裕すらない状況だ。
また特に厳しかったのは食料の確保だったそうだ。
避難所に入ってから3日間、一日のうち口にできたのは、僅か拳半分ほどの保存食のみだったとのことだ。
後で知らされたそうだが、避難所の場所によってかなりの差があったようだ。支援物資の届きやすい避難所であれば食料に苦しむことはなかったとのこと。本来ならば、不公平感を無くすべく、行政サイドがしっかりとサポートすべきところだが、その行政自体、まともに機能できない状況にあった。已む無しである。

出来ることなら、避難所生活を送らねばならない状況にならないことを願うばかりだが、災害はいつ何時何処で起きるや否や。その為前もってシミュレートし、準備をしておく必要がある。
自然災害のみならず、愚挙、痴態による人災など、日本を取り巻く状況も益々厳しさを増すばかりである。
その為にも、状況を想定し、訓練しておく必要があると云えるのではないだろうか。

追記
それにしても、平昌五輪スピードスケート女子500mでの小平奈緒選手の金、実に見事だった。本当におめでとう!
また、本日、スノーボード女子ビッグエア予選で、地元岩手県一関市(東山町)の16歳、岩渕麗楽ちゃんが3位に入り23日(金)の決勝を迎える。是非とも頑張ってもらいたい。頑張れ! 頑張れ!!


フォト短歌「備え」  


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