エッセイコーナー
618.感染者の人権  2021年8月28日

日本国中がデルタ株に侵され、感染拡大に歯止めがかかりそうにない。
「明日は我が身」何時、何処で、誰から、目に見えぬ難敵と日々戦い続けなければならない。
その為には、ワクチンの接種は元より、ある程度周辺の感染状況を把握する必要がある。
ワクチン接種については出遅れてしまったが、今週の月曜日に漸く1回目の接種を終えた。あとは3週間後。その間(勿論それ以降も)感染対策をしっかりと励行しなければならない。その為にも、前述したように感染状況を把握しておくべきである。

そんなことから、岩手県内の感染状況を各保健所単位で情報公開しているサイトを確認している。
地元である県南の情報に目を向けると、気になるSNSの書き込みがあった。
8月11日にコロナの陽性者が出たとの報告があった、とある美容系のサロンのこと。
8月21日に再度PCR検査を受けたところ、陰性だったとのこと。
つまり偽陽性であったとのことである。
風評被害など、客商売としてはかなりのダメージを受けたのではないだろうか。
検査側の責任問題も視野に入れなければならない事案だが、それよりも11日から21日迄の10日間、保健所や医療機関の対応があまりにも杜撰であり、冷徹な対応である。

確かに、急激な感染拡大により、対応に窮していることは理解できる。しかしながら感染が確認された昨年上旬からその準備に取り掛かっていた筈である。
8月11日、陽性と告げられた本人の体調は何ら異変もなく、再検査を要請したが保健所は拒否したとのこと。
翌日、病院に強制入院させられ、相部屋ではなく個室を希望したが病院側から拒否。納得がいかず、実費でも構わないから保健所に再検査を要請したがそれもまた拒否。
病状など一切無いことから、陽性患者との同室に不安を覚え、ホテル療養を希望したそうだがそれもまた拒否されたとのことだ。

結局、セカンド・オピニオンにより、関東の感染症専門医によるオンライン診療を受けることになり、結果的に陰性だったとのことである。
つまり偽陽性であり、お店はかなりの損害を被った筈である。
保健所や医療機関の体制、或いは質や能力にも問題はあるだろうが、やはりこれもまた、長らく続いた緊縮財政により、職員不足や医療施設の不備を招いているのがそもそもの原因と云わざるを得ない。

東京パラリンピックが終わり、間もなくすると自民党の総裁選が始まる。
総裁候補者は元より、その後に行われる総選挙では、デフレ脱却を念頭に置く、積極財政を標榜する候補者や政党に日本の未来を託し、清き一票を投じたい。
それにしても、感染者には、人権はないと云うことなのだろうか・・・。
明日は我が身である。


フォト短歌「雨の午後」  



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