エッセイコーナー
241.春の珍客  2017年5月8日

ゴーデンウィーク春の大型連休も終わり、普段の生活リズムに戻ったものの、気持ちの焦りは隠せそうにない。
と云うのも、予定ではゴーデンウィーク中にせめて水田の荒掻き作業を終える筈だったが、このところのお天気続き。
行楽にはもってこいのお天気だろうが、如何せん中山間地の圃場では水不足が深刻な問題である。
荒掻き作業を終えたのは結局のところ2反3畝の水田1枚のみ。その他は明後日の天気予報(雨の予想)に期待を託すしかなさそうだ。

中山間地での稲作は、お田植えシーズンの雨は歓迎されるが、行楽やアウトドアスポーツにとっては、雨は厄介ものだ。
それは動物たちにとっても同じかもしれない。天気が良いと色んな意味で開放的になるようだ。
昨日の早朝、散歩がてらに畑周りを散策しようとカメラをぶら下げながら歩いて行くと、杉林の樹間から動くものが目に飛び込んできた。ニホンカモシカである。
しっかりとした角が確認できるので、雄雌の区別は定かではないが成獣であろう。

5月6月は出産期なので、幼獣を伴う場合もあるようだが、熊程でないにしても、その時にはやはり注意が必要だ。
幸いにも周辺には幼獣の姿は見当たらず、成獣単独での行動のようだった。
実は数年前にも、この時期に出くわしたことがある。
ちょうど代掻き作業の最中だった。

急に下半身がそわそわし始め、もようしてきたのでそそくさとトラクターを下り、人の視線を遮る為にと急ぎながら北側の土手に向かった。
着くなり、我慢しきれずチャックを下ろすと直ぐに勢い良く・・・。
ところが妙に、何らかの気配、何かの視線を感じてならなかった。
「変だな~」と思いつつ視線を上に向けると、土手の上からニホンカモシカがこちらを覗き込んでいるではないか。
それも感心?したかのように、私の逞しいチョメチョメを見て暫したじろいでいた。

その時のニホンカモシカか否かは知る由もないが、先日植えたばかりのネギ苗や根菜類の種蒔きした箇所を、敢えて避けるかのように、一歩一歩、慎重にゆっくりとその場を立ち去って行ったのだった。


フォト短歌「春の珍客」  


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