エッセイコーナー
368.平成31年一関地方短歌会新春短歌大会  2019年3月25日

昨日は朝から冷え込みが厳しく、4月間近にも係わらず雪降だった。
そんななか、一関文化センターを会場に一関地方短歌会新春短歌大会が行なわれた。予想だにしなかった悪天候のためか、いつもより出席者が少ない状況で大会は始まった。
選者は宮城県歌人協会会長でまひる野会所属の岡本勝先生。
「いのちへの畏敬即ち祈り」の詩(うた)と題して、橋本喜典著『聖木立』の歌集に触れて、重厚で内容の濃い講演が始まった。

『聖木立』は、齋藤茂吉短歌文学賞および迢空賞(ちょうくう)を受賞した『行きて帰る』に続く第11歌集であり、平成27年から平成30年にかけて作歌されたものを収めた歌集であり、歌の理念として掲げる明晰性、清韻、生命感が具現された歌集であると岡本先生は絶賛しておられた。(レジュメ参照)
私も末座ながらまひる野会に席を置く者として何れ拝誦したい。

岡本勝先生と云えば、歌人としても知られるが、『犯罪論と刑法思想』(信山社)の著書を持つ刑法学者であり、東北大学法学部の名誉教授である。
私も大学(私学)当時は刑事訴訟法のゼミを専攻したこともあって、是非とも拝顔の栄に浴したいと常々思っていた。
この度その念願が叶った次第である。
法学者、況してや刑法学者ともなれば如何にも堅物、頑迷なお人柄かと思っていたが、実際にお会いして誤った妄想を抱いていたことに気付かされた。物腰が柔らかく、気さくな為人であることを知り、改めて感銘を受けた次第である。

その岡本先生が会長を務める宮城県歌人協会では、一昨年(平成29年)10月より、「短歌教室」を開講され、基本的な短歌作法の指導、助言に努めておられるとのこと。
盛岡市と仙台市の中間地点、一関市在住の私にとって、交通の便などを考慮すると行き易いのは仙台の方だ。初心に帰り、是非とも学びに行ってみたいと思う。

入賞作は以下の通り
天 賞    大根が好きと話せば子の妻はおでん風呂吹きあら煮と続けぬ  千葉利二(一関)
地 賞    枯枝に命揺れをり蓑虫の目覚めうながし春風渡る       佐藤知男(千厩町)
人 賞    雪道を酒持ち合いて釣仲間歌いて帰る術後の夫は       餘目圭子(一関)
奨励賞一席  仄かなる七草粥が香りゐておせちに飽きし朝の食卓      畠山華郷(東山町)
奨励賞二席  鍋底の浅蜊大きく身をのばす思わず怯む生きる命に      小澤玲子(奥州市)
奨励賞三席  癌と共に切り絵や短歌つくりたる友さりげなく別れ告げたり  晴山京子(平泉町)


フォト短歌「わが影」  


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