エッセイコーナー
360.次世代型社会保障制度  2019年2月19日

幸福とはいったい何か。どんな時に幸福だと感じるのだろうか。昨年還暦を迎え、漸く大人になったような気がする今日、ふと考えることがある。
幸福について、「論理的、体系的に語るのは困難だ」とある哲学者は云い、エリック・ホッファーは、人間は不幸になると幸福の探求を始めると云っている。幸福は感謝の別名であり、努力の異称であると云う人もいる。

私は企業戦士として、実利を求めながら家族の為にとがむしゃらに頑張ってきた若い頃は、幸福について、或いは老後についてなど全く考えもしなかった。
還暦を迎え、初老というカテゴリーに属し始めた今日、日常のふとした時に、思い出したように「幸福とはなんなのか」の問いが脳裏を過るのである。
我が子の成長、家族皆が元気であることを幸福だと感じる、イコール自分の幸福となることに疑う余地はない。
それ以外に、欲しい物が手に入った時、美味しい物を沢山食べ、満腹感を味わった時に幸福感を覚えることもまた事実である。

また、趣味や面白いことに興じている時も、知らず知らずのうちに幸福感を覚えることもある。
世間では、「幸福は決してお金で買えるものではない」とよく云われている。確かに、子供の成長、家族の幸福はお金で買えるものではけっしてない。
しかしながら、美味しいものや、趣味を楽しむのには、多少なりともお金が必要となる。このことは紛れもない事実であり現実である。
とは云え、法外な資金など必要ではない。それなりの、ほどほどのお金があればそれでいいのである。
その為にも、労働が困難となる老後は、年金や蓄えが必要になるが、現在の年金制度は十年後、二十年後にどうなるのか全く不透明である。今後は今の年金制度に代わる資金の調達方法が必要になるのではないかと考えている。

今年の10月から、社会保障として利用される筈の消費税が2%上がって10%となる。
未だその消費税増税をめぐり喧々囂々と議論を賑わせているが、10月以降、軽減税率の導入による複雑怪奇な税制に、戸惑う場面に遭遇するのではないだろうか。
ただ、そんなチマチマ、コセコセした中途半端な税制措置による社会保障よりも、北欧を参考とする大胆な社会保障政策の方が遥かに幸福感を覚えるのではないだろうか。老後の不安を取り除くことにより、消費意欲が増し、経済も活性化することは自明の理というもの。

また、近年かなりの速さで技術開発が進んでいるAI(人工知能)だが、そのAIを活用しない手はない。
ホーキンズ博士が将来の懸念材料としてこのAIを取り上げていたが、科学技術の進歩は誰にも止められない。
しかしながらその懸念部分であるAIの暴走を食い止め、人類との共存を図るには何らかの規制が必要である。その規制、制約の下で、AIを活用し、ベーシックインカムなど次世代型の社会保障を充実させることが、必要であると云えるのではないだろうか。その為にも、刻々と進化するAIの暴走を抑制、制御するルール作りを早急に進める必要がある。
科学技術の進歩、特にAIの普及を、仕事が奪われるなどと悲観的、否定的な意見にばかりとらわれるのではなく、人類との共存を前向きに考え、捉えていくことこそ、未来における我々人類の幸福に繋がるのではないだろうか。


フォト短歌「酒肆の壁」  


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