エッセイコーナー
431.加福加福の加算かな  2019年11月18日

叔父が一昨日、92年の幕を閉じた。
昨日納棺の儀を終え、本日火葬とお念仏が執り行われた。
お念仏は当地の独特な風習で、火葬を終えてから会場に戻り、「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀 光明遍照十方世界を 照らすなり 般若船に乗り移る 弥陀の浄土へ 参るなり 夜中念佛南無阿弥陀」を独特の節に乗せて33回繰り返し唱えると云ったもの。
故人が無事に極楽浄土に辿り着くようにと、皆で見送る儀式だ。その土地土地によって色んな風習があるものである。

会場の壁に何気なく視線を向けると、気になる詩句が目に止まった。
「新年あけましておめでとうございます 初陽の光差し出でて 四方に輝く今朝の空 おわりなき世のめでたさを 加福加福の加算かな 御尊家御一同様の ご多幸をお祈りいたします」  
賀詞笑味期限 (令和元年十一月一六日まで)との短詩が載っていた。
郵便局長を長年(60年以上)務めた叔父だけに、年末が近いことから、年賀状のことが気になり、その内容を病床で考えたのだろう。

「加福加福」はおそらく叔父の造語だろう。福を沢山掴むよう祈っている、と云った内容ではないだろうか。
また、賀詞笑味期限(令和元年十一月一六日まで)は如何にもウィットに富み、和語に親しむ叔父らしい表現である。
明日はお通夜、明後日に葬儀がある。
葬儀は11月20日(水)午前10時30分から、龍洞院(一関市室根村津谷川字野下)で執り行われる。


 
フォト短歌「叔父の年賀状」  



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