エッセイコーナー
194.食は芸術なり  2016年6月11日

「手作りケーキ」の小さな看板に誘われ、ついつい寄り道をしてしまった。
以前にも2・3度訪れたことはあったが、生憎定休日にばかり当たった為か、未だ嘗て店内の様子を拝見したことがなかった。昨日、漸く念願の初入店が叶ったのだった。

ママさんこだわりのオリジナル紅茶と、手作りケーキが人気を呼び、また隠れた癒やしのスポットとして知り人ぞ知る穴場の喫茶店である。
一関インターから厳美街道を西に、左手に厳美渓、右手に道の駅、一関市立博物館を見ながら須川岳(栗駒山)方面に暫く進むと、統合の為廃校となった元・一関市立山谷小学校跡地が右手に見えてくる。そこから約300m程右手前方にJAいわて平泉の山谷倉庫が確認でき、その手前の左手にサウンドフリークスが確認できる。そのサウンドフリークスを過ぎて間もなく、大岡商店の看板が目に飛び込んでくる。その大岡商店手前のT字路を左折すると磐井川をまたぐ橋が確認できる。その橋を渡り、その先のT字路を左折すると左手にTea Room「風(FU~)」の看板が見えてくる。
そこから200m程奥に進むと、新緑に包まれた閑静な佇まいの、一見洋風の洒落た建物に突き当たる。
そこが目的地のTea Room「風 (FU~)」である。

淡いクリーム系を基調とした壁紙に、木目が際立つチャコールブラウンのテーブルが調和を保ちながら並べられたシックで落ち着いた雰囲気の店内から、窓越しに観える淡い新緑に癒され、憩いのひととき、癒やしのひとときを満喫できる。
お目当てのケーキセット(かぼちゃのタルトとアイスティーほか)を注文してみた。
暫くしてママさんが厨房からケーキセットを持って現れた。
テーブルに置かれたそのケーキセットを前に、心底から感銘を受けた。得も云えぬ程のその色彩の美しさに目が点となった。「食べたい」と云った食に対する欲望を抑え、目に飛び込んできた圧巻のその美しさに、先ずもって美的欲望への刺激が頂天に達したのだった。

また、地元である一関くんだりに、このような感性の高いフードデザイナーが居たことに先ず驚いた。
目の前にあるケーキセットは正しく芸術品そのものであった。
現物を前にしただけでも、もう私は満足感を覚え、このまま持ち帰って部屋にでも飾りたいとさえ思った次第である。
暫しホークを入れるのを憚ったが、何をしに来たのかと自問自答すると、「食べに来たんだべェ~」との、甘党の私の脳からの司令に、徐ろにホークを入れ、静かに、丁寧に口に頬張り、食感と味をしっかりと噛みしめた。
「美味い」「実に美味い」

タルトのしっとり感と、パンプキンの程よい甘さに、毎朝の草刈り作業によって慢性化しつつある腰の痛みがいっぺんに吹き飛んだのだった。
また是非お邪魔して、今度は「ケーキの盛り合わせセット」や「前沢牛のビーフシチューセット」を堪能しつつも、霊山栗駒山を源とする幽玄の風を感じてみたい。
因みにオーナーの藤本千ニさんとは、以前、他の用事で何度かお会いしており面識はあったが、幸いにも今回の来店で初めて知った次第である。


  店 名:Tea Room「風 (FU~)」 道案内>>
  住 所:岩手県一関市厳美町字下谷地152-11   
  電 話:0191-39-2072
  営業日:木・金・土曜日/第1・第3日曜日
  営業時間:11:00~17:00
  冬期休業:12月20日~3月31日
       
フォト短歌「かぼちゃタルト」 風の看板  

Tea Room「風 (FU~)」をかなり詳しく紹介している・・・岩手県職員のブログ「イーハトーブログ」


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