エッセイコーナー
735.公有地の管理責任について  2022年10月8日

市有地の管理について、特に草刈り、なかでも勾配のきつい法面の草刈りについて、これまで長年に亘り隣接地の所有者や、地域の共同出役としてなんとか草刈りを継続してきた。
しかしながら後継者の不足、高齢化などによって作業に支障を来しているのが現状である。
特に高低差のキツい中山間地では尚更である。
高齢の先輩方から「市有地なんだから市でやってほしい」との声が後を絶たない。

また、地域の集団作業の折、草刈り機の操作が難しい傘寿過ぎの高齢者は手に鎌を持ち、米寿間近の高齢者はシニアカーに乗ってやって来る。責任感を持ち、いくらかでも地域の役に立ちたいとの思いからだ。
「無理して来なくてもいいよ」と、来る度に声を掛けるが、それでも頑張ってやって来る。
見るに見かねて、未だ動ける私らが率先して、先輩方をサポートしていると云うのが現状だ。

私も既に60代中盤に差し掛かっているが、それでも若手の部類に入る。
頼りにされながらなんとか踏ん張ってきている。
しかしながら平坦地ならまだしも、勾配のキツい法面となるとそう簡単ではない。
勿論、私有地に関しては当然所有者の責任でやる必要があり、悪戦苦闘しながら限界まで夏草と戦っている。

そんなことから、市有地などの公有地はせめて自治体で出来ないものかと、市の道路維持課に相談を持ちかけたことがあった。
しかしながら交通に支障をきたす場所、場合のみ。つまりガードレール周辺のみ(1・2メートル)の草刈りはやるが、他は出来ないとの返答だった。
ガードレールから1・2メートルなら高齢者でも出来るが、一番やって欲しいのは勾配のキツい法面なのだが・・・。

同じ様な悩みを抱えている人たちが他にもいる筈。
藁をも縋る思いでネット上を彷徨っていると、Youtubeにあった
それによると所管する自治体は快く引き受けてくれたとのこと。

我市には市長にひとことと云う目安箱が用意されている。
早速、下記の要望を市長宛に出してみることにした。

<要望>
要望

以上の内容で9月12日に投稿したが、2週間以上待っても、うんともすんともいってこない。
業を煮やし、確認の電話を入れようと思ったその時、市の秘書課からメールが届いた。

<返信>


本来なら市が業者に委託すれば済むことだが、「予算」の問題が真っ先に浮かぶのだろう。
確かに、我々民間は元より、地方自治体にも通貨発行権は認められていない。
あるのは国だけである。
その国が、戦後レジームの財政法4条にメスを入れ、貨幣感を正していかなければあらゆる問題は解決されない。「みんなの赤字は国家の黒字、国家の赤字はみんなの黒字」どこかで聞いたようなセリフだが、全くもってそのとおりである。
ともあれ、市からの返答には「今後も地域の実情を踏まえ、市道の維持管理に最大限努める」とある。
最大限の範囲を知りたいところだが、いずれにせよ、最大限の努力に期待する以外になさそうである。

市長にひとことへの回答
因みに、私の質問に対する市からの回答は、質問から約ひと月も経った現時点(2022年10月8日)で、ホームページでの公開は未だのようだ。


フォト詩歌「穂仁王の金山棚田」 フォト短歌「法面の草刈り」



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