エッセイコーナー
282.熊の保護か、人間を守るか  2018年1月10日

ツキノワグマの捕殺数が、秋田県では前年対比が1.7倍増になったことに対して、自然保護団体から秋田県知事に冬の狩猟や有害駆除の中止を求める要望書が提出されたとのこと。
秋田県警によると、昨年中に目撃された熊の頭数は1500頭余りと、過去最多とのこと。
昨年のみの秋田県内だけでの被害は、死者1名、重傷者5名、軽傷者も含めると20名もの人間が直接熊と対峙し、危害を被った。かなりの確率で熊に出くわしていることになる。
昨今の異常な気象現象にともない、山中での餌不足や自然環境の変化により、人間のテリトリー内と思いたい里山に下りてきているようだ。
勿論、中山間地での後継者不足による耕作放棄地や休耕地の広がりもその要因の一つだろう。

また、何年か前だが、熊の餌となるブナなどの堅果類(どんぐりなど)が豊作の年があったが、その翌年には多くの子熊が確認された。それによって個体数も増えたとの見方がある。
個体数が増え、尚且つ餌となるどんぐりなどが不作の年は、多くの熊が里山に下りてきては農作物を食い荒らし、やがて人までをも襲うといった惨劇が繰り返されている。
秋田県民の誰しもが、熊の捕殺など望んでいる筈ではないと思う。
勿論、熊とても人間が憎くて襲う訳ではないだろう。

互いに已む無しの事情がある筈だが、前述の熊被害に加え、2009年以降、秋田県内だけでも20名の人命が熊によって奪われている事実は、如何ともし難い。
また、熊によって負傷した人たちもかなりの人数ではないだろうか。
2016年5月・6月には、秋田県鹿角市の山林でたけのこ採りをしていた男女4人が相次いで襲われ、命を落とす衝撃的な事件は記憶に新しい。

ネット上では、熊の生息域に踏み込んだ人間の落ち度を指摘する論調が見受けられたが、地方ではたけのこ採りを生活の糧、生業とする人たちがいると云うことを理解しなければならない。
一番良いのは、共存共生だが、言葉が通じるのであれば問題は解決しそうだが、そんな訳にもいかない。
熊の捕殺は、已む無しの事情であると云うことを解し、納得すべきではないだろうか。


フォト短歌「イーサン・ハント」  

私も以前、熊と遭遇している>>


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