エッセイコーナー
579.木乃伊取りが木乃伊になる  2021年3月19日

ミイラ取りがミイラになった。
と云うのも、先日、とある銀行から父宛てに一通の葉書が届いた。
記憶では、昨年も一昨年も同じような葉書が届いた筈なので、父に確認するとそのようなとある銀行の通帳など覚えがないとのこと。
その葉書には数千円の残高があるように見受けられ、それに金利がついたことへの知らせだと私は勝手に解釈した。
殆ど利用していないことから、解約すべきだと思い、父に提案すると、通帳がどこにあるのか見当もつかないとのことだった。

金額は数千円程度、その時はそのままにしておいても問題ないと思っていたが、先日届いた葉書には、残高と思しき金額が前回、前々回の葉書よりも少しずつ増えていた。
高齢で今は介護施設に入所中の父に代わり、銀行に問い合わせてみたところ、暫くしてから電話のベルが鳴った。
それによると、数千円分の残高と思しき金額は、預金残高ではなく銀行からの借入金だとの説明だった。
一瞬狐につままれたように、何が何だか訳が分からなくなったが、詳しく説明を聞くと、父が数十年前にその預金を開設した折、残高が不足した場合に備え、普通貸越として10万円を限度に、自動的に借り受けることが出来る契約を結んでいたとのこと。
父は殆ど使っていなかった通帳のようだが、当時、年会費ありのカードを作っていた。その年会費が毎年引き落とされていたのだ。「塵も積もれば山となる」である。

もし、普通貸越の契約をしていなかったなら、残高不足となってカード会社から通知が来る筈。それに気づいて解約なりをすればよいのだが・・・。
普通貸越の契約をしていた為に、知らず知らずのうちに銀行から借金していたことになっていたのである。
そうとは知らず、些少な額ではあったものの、折角なので下ろして何かに使おうと思ったのだが、逆にその金額を払わされる羽目になってしまった。
通帳開設時の特約事項の再確認と、年会費があるカード作成は検討すべきだと、改めて肝に銘じた次第である。


フォト短歌「杉のはっぱ」  



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