エッセイコーナー
806.温暖化による生態系の変化  2023年4月26日

地球温暖化の注意喚起を耳にするようになって久しいが、IPPCC(気候変動に関する政府間パネル)と云う専門家の発表では、2100年頃迄に地球の温度は1.1℃から6.4℃上昇するとの見解を示している。
海面の上昇については、18cmから59cm水位が上がると予想している。その水位上昇の主な原因として考えられるのが永久凍土の融解だ。

科学雑誌『Newton』を参考にすると、北極は急激に変化していると云われており、高台は氷が海面に蓋をする為に波音は聞こえなかったが、今では大波が立って海岸を侵食し始めているとのこと。
その為、冬でも雪ではなくどしゃ降りの雨が降るようになった。
況してや北極の温暖化は地球平均の2~3倍のスピードで進んでいる。

気流や海流の複雑な影響もあり、所々雪氷が解けると海面が顔を出す。
海面や地面は太陽光の吸収率が高い為、更に周辺が解け出す。その相乗効果によって温暖化の影響が受けやすいと考えられている。地球で最も温暖化が進んでいるとの指摘もある。
その為、生態系もガラリと変わる可能性がある。

また、永久凍土に覆われ、封じ込められていた病原菌やウイルスが大気に放出される可能性が高いとの指摘もある。
2016年には凍土から溶け出した炭疽菌により、地元の少年や祖母、数百頭のトナカイの命が奪われ、多くの人たちが治療を受けたとの報告もある。
3年程前、中国の武漢市を発信源とする新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中が疲弊し、閉塞感に苛まれたが未だ終息に至ってはいない。
また、危険度の高い高病原性鳥インフルエンザ等も燻るなか、更なる未知の脅威が少しずつ近づいてくるように感じる。

ただ、それのみではない。
2014年にロシアのヤマル半島で巨大なクレーターが発見された。他にも17箇所のクレーターが確認されている。
その原因として、永久凍土の地中に溜まっていたメタンガスが爆発したのではないかと考えられている。
専門家からは「時限爆弾」として恐れられているが、メタンガスは二酸化炭素の23倍も強力な温室効果ガスだと云われ、爆発により一気に空気中にメタンが放出されることにより、爆発的に温暖化が進むのではないかと目されている。

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