エッセイコーナー
86.オノマトペと短歌  2014年7月24日

旧一関市立図書館の老朽化や駐車場などの問題で、地元市民からは新築、移転の要望が多かった図書館だが、本日、念願の新館がオープンを迎えた。
御多分にもれず、旧図書館閉館の前に借りた本の返却も兼ねて、早速私も入ってみることにした。
有難いことに駐車場がかなり広い。以前の図書館とは比べ物にならない。車が足代わりの田舎では非常に有難いことだ。

早速館内に入ってみたが、初日ということもあってかなりの人で賑わっていた。
今日は30度以上のあちいあちい一日となり、クーラーの効いた館内はなんとも有難い。
館内には、岩手県下でも県立図書館に次ぐ蔵書があるとかで、スペースもかなり広い。
エントランスの左側、1F交流スペースには喫茶店「CAFE JOURNAL」が併設され、コーヒーを味わいながらページをめくることができる。

2Fの図書コーナーには、雑誌・新聞コーナーや視聴覚コーナー、読書テラスやサンルーム、対面朗読室や児童コーナー、それに自動貸出機や資料検索機が9台も用意されている。
また、48席の学習スペースもかなり充実しており、生徒らは勿論だが、我々大人にとっても、整った環境の勉強スペースが用意されている。
また、一関市に縁の、大槻文彦が編集した「言海」にちなみ、国語辞典の貴重なコレクションも展示されている。

国語辞典といえば、同じ一関市出身の国語学者を忘れてはならない。
三省堂の新国語辞典の編集に携わり、日本語オノマトペ辞典や新書オノマトペがあるから日本語は楽しいの著者である小野正弘(明治大学教授)氏がいる。

早速何かの図書を借りようかと、ふらふらぷらぷらと館内を見て回った。
すると短歌コーナーの一冊に、妙にタイトルが気になるものがあった。
早速取り出して表紙をみてみると、『オノマトペと詩歌のすてきな関係』 著者:小野正弘とあった。

オノマトペとは、「擬態語」「擬音語」を総称した言葉だが、短歌にも度々使われている。なかでも、斎藤茂吉の歌集「赤光」833首のうち、8.6%に及ぶ72首にオノマトペが使われていると著書で紹介している。
また、花鳥風月に重きを置く明治以前の和歌から、俳句の流れをくみ、生活感溢れる身近な題材を短歌に取り入れ、流れを変えたと云われる正岡子規の短歌にも、度々オノマトペが使われている。
著書のなかでは5首紹介されており、なかでも、オノマトペを用いることによってリズム感を増し、私が一番気に入った一首を紹介したい。

"へな土のへなの鋳型のへなへなに置物つくるその置物を"

解説はオノマトペと詩歌のすてきな関係を是非ご覧頂きたい。




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