エッセイコーナー
202.応援マナー  2016年8月18日

日本選手によるメダルラッシュで大いに盛り上がるリオデジャネイロ五輪、残すところあと3日。その後にリオ・パラリンピックが9月7日から始まる。
柔道、水泳、体操、卓球など、ストレングス及び手先の巧みさやセンスを競う球技など、日本選手の活躍は目覚ましいものがある。
昨日も女子レスリングの快進撃が続いており、金メダル獲得の吉報が次から次と舞い込んできている。
そのリオデジャネイロ五輪のメインスタジアムではトラック&フィールド(陸上競技)の熱戦が繰り広げられている。オリンピックの花形競技と云えばやはり陸上競技(私見)であろう。中でも短距離、特に男女問わず100mのスプリント種目は大注目の種目だ。

今大会も男子100mではウサイン・ボルト選手の強さが光り、オリンピック3連覇を果たし、圧倒的な強さを披露してくれた。
女子はご贔屓のシパーズ選手がメダルに届かなかったが、200mに期待したい。勿論日本選手にも期待したがやはり地力が違い過ぎた。基礎体力及び身体能力の差が歴然としている。4年後の東京迄にはせめて決勝に残って、日本中を沸かせてもらいたい。
今回のオリンピックで特に気になったことは、応援の様子だ。
特に地元ブラジル選手の登場で会場はわれんばかりの応援が続くが、云いたくはないが、「あたり構わず」といった形容詞がついてまわる。度が過ぎる応援だと云わざるを得ない。

勿論、地元選手を心底から応援したいのはどの国の応援団も一緒だ。しかしながら、選手が神経を集中するスタートの時や、演技中にも係わらず、怒号のような応援はあまりにも失礼である。ましてや競う相手を貶すブーイングなどはあまりにも品性を欠く行為だ。
陸上競技の一つ、男子棒高跳でもそんな品性を欠く応援があったようだ。
地元ブラジルのチアゴ・ブラス・ダ・シウバ選手(金メダル獲得)と競う、前回オリンピック覇者のフランス代表ルノー・ラビレニ選手(銀メダル獲得)の試技の際、ブラジル応援団はブーイングを浴びせた。そのことに抗議したラビレニ選手を表彰式でも更なるブーイングで罵倒した。

ラビレニ選手はブラジルの観客に怒りを爆発させ、1936年のベルリン五輪でのジェシー・オーエンスに対し、黒人やユダヤ人を蔑視するヒトラーやドイツ国民(実際は、黒人選手に対する一般のドイツファンの態度は敬意に満ち好意的だったようだ)と一緒であると非難した。
当時のベルリン五輪は、国家予算の1%という巨額を投じ、アドルフ・ヒトラーとナチス党が持論とする白人種(ゲルマン民族)の優越性を証明、ヒトラーの偉大さの誇示や、ナチスドイツの国威発揚のプロパガンダとして利用する為に開催されたとも云われている。そのプライドを見事に打ち砕いたのが前出のジェシー・オーエンスである。

彼は世界記録とともに100m、200m、400メートルリレー、走り幅跳びの4種目全て金メダルを獲得した。人種差別の偏見にさらされながらも4つの金メダルを獲得した。
4年後の東京では、是非とも勝者を素直に祝福し、たとえ日本人選手と対戦する相手であっても絶対にブーイングなど浴びせることなく、エールを贈る度量の広さをもって臨んで欲しいものだ。






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