エッセイコーナー
248.本当に想定外なのか?  2017年7月3日

「想定外だった」の一言で、多くの犠牲者、それも疑いのない人災による犠牲者を出した福島第一原発事故の責任を問う裁判、初公判が6月30日に東京地裁で開かれた。
起訴状によると、当時の東京電力の最高責任者らは、15メートルを超える津波の襲来を予見できていたにも係わらず、運転を続行させ、津波に対する何がしかの対策を取ってこなかった。
東日本大震災では、巨大な津波襲来により炉心損傷事故を起こした。その際に近くの病院から避難した44名を死亡させた責任、などの起訴内容だが、当時の東電最高責任者である元会長の勝俣被告、当時原子力部門トップであり元副社長の武里被告や武藤被告らは、「想定外だった」と無罪を主張している。

以前に、原発事故による放射能被爆の恐れから、福島県から群馬県に非難した住民らが国と東電を相手取り、前橋地裁に損害賠償を求めた裁判があった。
去る今年の3月17日、前橋地裁の裁判長は、津波を予見し、事故を防ぐことは可能だったとの判断により、国と東電に対して総額約3855万円の支払いを命じた。

多くの犠牲者を出し、住み慣れた家、故郷を否応なしに追い出されると云った不幸で気の毒な状況に追い込んだ福島原発事故は、間違いなく人災であり、「想定外だった」の一言では絶対に済まされない問題である。
不思議なことに、人災であり大規模な過失事故、事件にしては、誰一人として責任を取ってはいない。
過ちは改めない限り、また必ずや繰り返される。改める為には、責任の所在をしっかりと明確にし、責任追及をしっかりと行う必要があるのではないだろうか。
今回の東京地裁の判決は、今後どう展開されるのだろうか、非常に興味深い。裁判の進展を注視していきたい。

余談
勝負事に於いては、「何時か必ず負ける」ことは想定の範疇にあることだが、プロデビュー以来破竹の勢いで29連勝を誇る中学生棋士の藤井四段が、遂に黒星を喫すことになった。30連勝と云うとてつもない大台に連勝記録を伸ばすことは叶わなかった。
東京都議選同様、将棋ファンならずとも、日本国中が固唾を呑んで注目していたに違いない。「勝負は時の運」破れはしたものの、29連勝の記録更新はとてつもない大偉業である。
悔しさは当然あるだろうが、じっくりと睡眠を取り、美味しいラーメンでもすすりながら気分転換を図り、次なる勝負に臨んで欲しい。


フォト短歌「正鵠」  

【スクープ速報!】「想定外の巨大津波」は実は想定の範囲内だった!


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