エッセイコーナー
95.幸甚なる激励のお便り!   2014年8月29日

昨夜自宅に戻ってみると、テーブルの上に私宛の一枚の葉書があった。
手に取って差出人の名前を確認すると、一関市立図書館の及川和男名誉館長からだった。
昨年の8月、一関図書館主催のエッセイ・随筆の書き方講座があり、館長が直接講師を務められた。
僭越ながら私もその講座を受講し、色々勉強させて頂いた。
そのお礼も兼ねて、今年の春、私にとっては初の上梓となるフォト短歌集「糊口の杜」を謹呈させて頂いた。
その事に対するお礼の便りだった。
なんと、身に余る光栄であろうか!

及川和男名誉館長(以降は館長と記す)といえば、岩手県和賀郡沢内村(現・西和賀町)の名村長(故・深沢晟雄元村長)の生涯を綴った村長ありきを始め、児童文学やノンフィクション作品50作以上を世に出している現役の作家だ。
最近の作品では、東日本大震災の悲劇を忘れまいと、浜人(はんもうど)の森2011(本の泉社、四六判、128ページ)を著している。
因みに、この本の印税全てが、震災遺児・孤児を支援するいわての学び希望基金に寄付されるとのことだ。

万年筆による達筆な館長の直筆に触れ、感激も一入であると同時に、インクによる滲みの美しさに風情と郷愁を感じた次第である。早速私も、机の引き出しを引っ張りだしては万年筆を探したのだった。
実に嬉しかった!!

文面には「あの講座で最も筆力確かな方だと思った」と、お世辞だとは思うが賛詞が添えられていた。
確かに、その気になれば鉛筆をへし折るぐらいは朝飯前、リンゴだって潰せる、いや「潰せた」が正解か。
何れにしても、本来の意味はさて置き、本当に有難い(笑)……。
更に、文中には「子狐ごんたに感銘を受けた」との一文があった。私の心の中にも、ずうっと子狐ごんたが生きており、無邪気で、愛くるしい子狐の幻影が今でも脳裏に浮かぶ。

また、葉書の後半部分には、「書きたいものを書き、出したいものを出す」現在の商業主義のもとでは難しいが、その現実に決してめげることなく、「今後いっそうの健筆を願ってやまない」と結んであった。
昨年開かれた館長の講義の中で、「とにかく毎日少しでもいいから書くことが大事だ」と仰られた事を、今しみじと思い返しているのだった。


フォト短歌集「糊口の杜」

 

 

 

 



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