エッセイコーナー
59.天日干し米の美味しさの秘密   2013年10月13日

昨日一昨日と雨に祟られたものの、風は強いが青空の広がる岩手県南部。天日干しによる自然(天然)乾燥米の脱穀作業が、中山間部のあちらこちらで見受けられた。
その光景を目の当たりにすると、「我が家でも早く済ませてしまいたいものだな~」と多少の焦りを感じるばかりだが、焦りは禁物である。

乾燥はただ乾かせれば良いというものではない。燦々と降り注ぐ太陽の下で、じっくりと時間をかけて自然乾燥させることによって、米の風味が残る美味しいお米ができる。
天日干しの米は、「銘柄や品種による食味格差をなくす程うまい」と云われる所以はそこにある。
お米本来の持つ風味やうまみの元は、お米表面 にある“のり層”にあるとも云われているが、それを残すためには太陽の下で自然の風に晒し、自然(天然)に乾燥させる必要がある。

また、稲の茎や葉、籾などは刈り取り後も暫くの間は生きており、光合成を続けている。
乾燥させるために、稲穂を下にして「ほんにょ(ほにお)」などに掛けて置くことにより、茎や葉から養分がじんわりと染み出してきて、米粒の中にじんわりと入り込んでくる。それによって米の風味やうまさを増すとも云われている。
それが為にも、じっくりと時間をかけて乾燥させる必要がある。

但し、あまり乾燥させると過乾燥や胴割粒を増す原因にもなる。
また、出荷時に於ける一般的な水分の割合は14%~15%(地域によって若干の差異あり)だが、美味しさを求めるには前述の条件が加わる為、加減やタイミングの判断が難しい。天候などの様子をうかがいながら、経験を元に脱穀時期を判断することになるが、我が家では親爺の助言により来週の土・日がその頃合いであると判断している。
果たしてどうなることやら、お天道さまとじっくりと相談していきたい。

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