エッセイコーナー
20.究極の野菜栽培  2010年4月25日

昨日、TBS系列のJNN報道特集という番組で、工場生産による野菜栽培の特集をやっていた。
それによると、紫色の光によって、既存の蛍光灯によって栽培された野菜よりも、遥かに肉厚でしっかりとしていて、しかも瑞々しく育つのだという。取引先の居酒屋や、その工場によって栽培された野菜を取り扱っているスーパーの評判も上々のようであった。

野菜の工場栽培は今に始まったことではないが、これまでの蛍光灯による栽培では、その蛍光管から発せられる熱の処理にクーラーなどによって処理する為、非常にコストが高くつき、それを解消する為に、昭和電工によって研究開発された赤色LED(発光ダイオード)が解消する為に有効的なのだそうだ。
光が紫色に見えるのは、この赤色LEDと青色LEDの組み合わせによって見えるらしい。この光の出力が強い為、植物の光合成を助長させる力があるそうである。
熱を殆んど発せず、しかも電気代としてのコストも安く済む。

その栽培法を提案しているのが(株)みらい。
紙問屋として老舗である小津産業が、自社所有の空き倉庫を利用し、このプランターによる野菜栽培を行っていて、実績も徐々に増えてきているそうだ。
生産面についても、やり方次第によっては20毛作も可能であるという。
腰の痛みに耐えながら、土塗れになってやる農業とは一線を画し、未来の農業の姿がそこに見えてくるのだが、資本力のある企業や個人の特権としての要素が、そこには現実として存在する。

朴訥としていて、しかもちょっとほろ苦さを感じ取れる土の臭いを嗅ぎながら、額に汗して、鍬や鋤を持つ身からすると何とも侘しくもあり寂しくもある。
今まで、いや、これからも生活の糧として真っ向から農を業とし、食の安全を願い、日本に於ける食生活の一助として、真摯に取り組んでいる人達の行く末が案じられてしょうがない。
心情的には、多少土の薫りがして、燦々と降り注ぐ太陽の下で、光合成が繰り返されすくすくと育った天然ものの野菜を、尊重したいと思うとともに、工場栽培の野菜が、日本の野菜市場の大半を占めるようになったとしても、この天然野菜は希少価値も上がり、高級ブランドとして末永く存続することを確信して止まない。

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