エッセイコーナー
598.財政法を見直すべし「公立病院の黒字決算について」  2021年6月14日

先日の地元紙に、「7年ぶり純利益計上」との小見出しで、県立病院の昨年度の決算報告が載っていた。
県医療局の決算発表によると「新型コロナの影響により、患者数が減少したものの、診療報酬改定やコロナ病床確保などの補助金増加で、13年以来7年ぶりに純利益24億9125万円を計上。経常利益も前年度比23億487万円増の26億21518万円で、4年連続の黒字となった」とのことである。
県立病院として黒字決算は9病院、赤字決算は11病院だったとのこと。

私が疑問に思い、首を傾げたくなるのは、「公立病院の黒字化」についてだ。
そんなに喜ばしいことなのだろうか。
民間の病院や一般の企業ならば黒字化を目指すのはごく当然の話だが、公立機関の黒字化は本当に必要なのだろうか。
黒字化を目指すにはどうしても合理化を進める必要がある。結局のところ利益の上がらない患者を切り捨て、儲かりそうな患者だけを受け入れると云った、公的機関の本来の役割から逸脱するのではないだろうか。
以前私の父を県立病院に連れて行ったところ、中核病院を理由に断られ、民間の病院に行くようにと促された。利益云々と別とは云え、理不尽であると感じたものだった。

但し、「黒字化」を念頭に置くことは決して悪いとは云い難い。勿論理解できなくもないが、公立の機関、公共施設としての位置づけである県立病院は、果たしてそれで良いのかと云う疑問である。
公共機関は営利を目的にしないものだと解釈していたが・・・。

では、「赤字分の補填はどこから?」と云うことになるが、「税金から充当する」との発想が直ぐに思い浮かぶ。
しかしながらそれには些か問題がある。
税金を財源とする発想は確かに今迄は一般常識とされてきた感はある。ただ、現在は金本位制の時代と異なり、管理通貨制の下で経済政策が行われている。
と云うことは、必ずしも税を財源にする必要はないと云えるのではないだろうか。

国庫補助金など、国庫からの支出金として、通貨発行権を有する政府、国からの補填で賄うことが出来るのではないだろうか。
しかしながら残念なことに、そのことの解釈や理解がなかなか一般には広まっていないのが現実である。
本来なら特に、財務省の理解が必要なのだが、地方や国民の窮状を見て見ぬふりをしているのか、気を配ろうとしないように思えてしかたがない。

財務省は行政の立場として、財政の健全化を唱え、プライマリーバランス(PB)の黒字化を目指すことは理解できなくもない。参議院議員の西田昌司氏が云うように、敗戦後まもなく、GHQによって作られた「財政法」に則って公務についているので致し方ないのかもしれない。
問題は立法権を持ち、我々一般国民の代表である筈の政治家の理解が重要である。国民の現状をしっかりと理解し、政治に反映する為に政治家がいるのであって、決して自らの生活や名誉の為の政治屋であっては困るのである。
その政治家に、前述したことに対する理解がどうしても必要なのである。

しかしながら、その理解には数学的な洞察も必要となる。そのセンスを持ち合わせた政治家がどれだけいるのだろうか。
受験勉強などでぎっしりと詰め込んだ知識をひねり出し、回答を導き出そうとしても正解は見えてこない筈である。
「管理通貨制である点と、通貨発行権は政府にのみある」との2点を根底に置き、頭を真っ新にして、しかも柔軟に、更には自分の頭でじっくりと考え、正解を導き出していただきたい。
立法権を有する国会議員はそのことをしっかりと肝に銘じ、理解し、今後の日本の発展の為に、我々国民の幸せの為にも、財政法の見直しについてしっかりと議論していただきたい。


フォト短歌「五感」



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