エッセイコーナー
131.弁慶ゆかりの地に集う  2015年5月12日

5月に入り、益々忙しさも佳境に入ってきた。お田植え日を迎えるにあたり、田起こし、荒掻き、代掻き、そして畦畔の草刈りと、やることが山程ある。勿論手を抜くことも可能だが、如何せんそんな訳にもいかない。
「あの家では手抜きばかりだもんなぁ」などと陰口を叩かれるのも癪に障る。
いや、既に言われているのかもしれないなぁ……(笑)。
ともあれ、毎年農繁期はただでさえ忙しいのだが、今年は更に更に忙しい。

というのも、来年、希望郷いわて国体が開催される為に、私が所属する競技団体(パワーリフティング)のプレ大会を地元でやらなければならない。そのプレ大会(第34回全日ジュニア・第33回全日本マスターズパワーリフティング選手権大会)が18日後の5月30日・31日に迫っているのだ。
会場は地元平泉町の小学校体育館。小学校の体育館といっても、観客席が電動で可動(ロールバックチェアースタンド)
するなど、町の行事でも使われる近代的で立派な体育館なのだ。昔の講堂のイメージとは雲泥万里、「鯨と鰯」と云えるだろうか。

そんなこともあり、今回、(公社)日本パワーリフティング協会機関誌「JPA時報」の表紙に、巻頭言として、「弁慶ゆかりの地に集う」と題して私の拙稿が掲載された。
左下の写真には昨年6月開催の岩手県大会での集合写真も紹介された。
内容は、まず東日本大震災の折り、今は亡き元・日本パワーリフティング協会の東郷専務理事が、病を押しながら(後で知った)わざわざ義援金を届けに来てくださった。つくば市の自宅から自家用車で福島県→宮城県→そして岩手くんだり迄わざわざ足を運んでくださったのだ。
現金書留でも、銀行振込でも済む筈なのに、本当に頭がさがる思いである。
自家用車の後部に貼られた確か教え子が作られたバーベル入りの黄色のステッカーを、微笑ましく紹介してくれたことが印象的だった。

また、多くのパワーリフテンング関係者から、支援金や励ましの言葉を頂戴したことに対する御礼の言葉を冒頭で述べさせて頂いた。
今回会場となる平泉町は、吾妻鑑で一躍有名になった義経主従との関係が深いことから、知謀にたけ、怪力無双の武蔵坊弁慶を取り上げ、現代の怪力を誇るパワーリフターたちとの接点を見出す文言を添えさせて頂いた。
巻頭言の補足として、通説では義経や弁慶と縁が深い藤原秀衡公の居館は、柳之御所の南西にあった伽羅御所とされるが、一説によると毛越寺の直ぐ目の前、現在の平泉小学校の敷地内ではなかったかとの説もあり、今回その所縁も鑑みながら文面の一部に採納させて頂いた。  

嘗て、岩手県パワーリフティング協会が主管として全国規模の大会を開催したのは今から20年ほど前、全日本女子以来だが、国体に準ずる規模で行う為に2日間に渡る開催・運営となる。
その為に、細部に至るまで色々イメージを膨らませながら綿密な準備が必要となる。従って昨年の暮れあたりから「あーでもない、こーでもない」と準備を進めて来ているつもりだが、果たして無事成功裏に終わることが出来るや否や。閉会式を迎えるまで、心配の種、悩みの種は尽きそうにないのである。


 


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