エッセイコーナー
738.第17回奥州市民芸術文化祭短歌大会  2022年10月15日

本日、奥州市水沢市横町の市民プラザを会場に、奥州市主催の第17回奥州市民芸術文化祭短歌大会が行われた。
主管は県南歌人クラブ(会長:羽藤堯)。選者は岩手県歌人クラブの山本豊会長。
出詠歌は近在から45首(一般)。
最優秀賞1首。優秀賞2首。秀逸賞3首。入選10首。
他に、参加者による互選歌の表彰もあった。
県南歌人クラブ副会長兼事務局長の高橋忠徳先生の司会進行で進められた。

羽藤堯会長の挨拶から始まり、県歌人クラブの山本豊会長による一首、一首、丁寧な講評が始まった。
山本会長の歌会の進め方は、選者の一方的な講評のみならず、作者(出席者)に歌作の思いなどを確かめる双方向の歌会に、ある出席者は実に為になると話していた。
今後の歌作に向け、金言を思い出しながら日々の吟詠に努めていきたいものである。

大会結果は以下の通り。

最優秀賞(奥州市長賞)

 純白の捩花一つ殉教者の数の階段登りし丘に          胆沢 岩渕 正力
優秀賞(奥州市議会議長賞)
 とんぼ捕る少年の目と指先にそそぐ日ざしはおだやかにあり   水沢 千葉 睦子
優秀賞(奥州市教育長賞)
 窓越しの面会さえも許されず 九十二歳の父の日は過ぐ     一関 伊藤 英伸
秀逸賞(奥州市芸術文化協会長賞)
 百日紅のこぼるる樹下に見上ぐれば白雲ゆるゆる流れゆきたり  一関 阿部 昭代
秀逸賞(胆江日日新聞社社長賞)
 一粒のご飯を残さず食べる時大正生まれの亡き母浮かぶ     江刺 菊池 洋子
秀逸賞(県南歌人クラブ会長賞)
 霊室の小窓より入る陽の光り陶器の壷の白さ際立つ       広島 福庭 加恵子
佳作(ご芳名のみ)
 一関 小野寺 ヨシ子
 江刺 菊池 悦子
 胆沢 阿部 スミ子
 水沢 佐藤 タミ子
 一関 松村 雅子
 胆沢 五嶋 恵子
 水沢 小野寺 正美
 水沢 阿部 洋子
 胆沢 遠藤 カオル
 水沢 及川 千代子

互選賞
 1位 伊藤英伸   25点
 2位 千田エキ子  24点
 3位 佐藤政勝   21点
 3位 及川千代子  21点
 5位 佐藤タミ子  20点
 5位 千葉睦子   20点
 5位 阿部洋子   20点
 8位 菊池洋子   17点
 9位 小野寺正美  15点
 10位 遠藤カオル 13点
 10位 高橋忠徳  13点

有り難くも、今回私の作品が優秀賞(奥州市教育長賞)と互選賞1位に選ばれた。
私は高校時代、水沢で暮らしたこともあり、奥州市(水沢)は心のふる里、第二の故郷でもある。有り難く受賞の栄に浴し、心から悦びたいところだが、実は、今回の入選を素直に悦べない事態が起きた。

本来なら今大会に同席する筈の友人が、一昨日、黄泉の国に旅立ってしまったのだ。あまりの衝撃に、しばし放心状態であった。
高校らいの友人であり、良き歌友でもあった。
「そのうち合同で歌集でも出そうや」と話していた矢先のこと。あまりにも悲しい・・・。
菊田顕君、心よりご冥福をお祈りします。安らかにお眠りください。


フォト短歌「菊田顕の短歌」 左のフォト短歌「休日は自分を好きになるための時間 ま白き靴と旅する」は、2018年の第47回全国短歌大会(現代歌人協会主催、朝日新聞社後援)の大会賞(最高賞)を受賞した菊田顕君の一首。白い靴を履いて、新幹線に乗り、いや、バルーンでもいい、新たな旅を思う存分堪能してほしい。


 


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