エッセイコーナー
639.2021年版政府の自殺対策白書  2021年11月11日

瀬戸内寂聴(99歳)さんが今月の9日に亡くなられたとのこと。
先ず持って謹んでお悔やみを申し上げますとともに、安らかなるご冥福を心よりお祈り申し上げます。

さて、政府による2021年版の自殺対策白書によると、自殺率が11年ぶりに上昇、特に女性の自殺者が増えたとの発表があった。
特に働く女性が過去5年平均に比べ、大幅に増加したとのこと。コロナ禍に於ける失職や非正規雇用などによる労働環境の変化が大きく拘っているものとみられる。
岸田新内閣発足後、政府はコロナ対策、経済対策の一環として18歳以下に10万円の一律現金給付などについていまだに不満が燻っているようだ。

子供の貧困問題への対策として一石を投じるものと思われるが、それに対して世間や、残念ながら自民党内でも単なるバラマキだとの批判が強まっているようだ。
その陰には文藝春秋に寄稿された現役財務次官の「緊縮財政」の主張が影響を及ぼし、それに呼応するかのようなマスコミの報道がかなりの影響を与えている。そのことによって、また、救われる筈の命が救われなくなると云った負の連鎖、マイナスのループが起きようとしている。
また、少子化問題も一番の要因はこの緊縮財政にあると云っても過言ではない。
それらの解消、及び救えるのは国のみだと云えるが、その為には先ず、国の中枢にいて権力を持つ者、勿論一般の国民もそうだが、先ずもって貨幣観を正す必要がある。

正しい貨幣観を持っていないからこそ、「単なるバラマキだ」としかとらえられない現実が根強くあるのではないだろうか。しかしながら正しい貨幣観を持つ為には、兎にも角にも時間がかかる。今迄長年に渡り、常識だとされ、脳内にしっかりと染み付き、組み込まれてきた貨幣観を変えることは至難の業である。
ただ、現実問題として、その間にも多くの一般国民が自ら命を縮めることが予想される。
貨幣観を正す為には、真摯に、以下の5項目をしっかりと念頭に置き、真実を見極め、しっかりと正していただきたい。

1.通貨発行権は国にしかない。
2.自国通貨建て国債の債務不履行はあり得ない。
3.今は金本位制ではなく、管理通過制の下で財政は動いている。
4.国債発行後の金利や国債買受は、政府の子会社とも云える日銀により償還される。
 つまり、満期を迎えると新たな国債発行によって借り換えられる。
5.国の借金はあくまでも数字上のものでしかない。


などの事実を先ずもって理解した上で、財政を云々すべきである。
とは云え、前述したようにその理解には時間がかかる。
“国の借金”というウソ!と云う動画にもあるように、以前から三橋貴明氏らによって財政問題の誤りが指摘され、当時は、「なるほど」「たしかに」とは思ってはいたものの、「極論だろう」と一笑に付し、受け付けなかった。
しかしながら今になると、三橋氏の云うことについては心底から理解し、納得している。
ただ、残念なことに、未だに「国の借金」と云う虚言の概念が独り歩きし、正論として受け取られている現実に、一抹の寂しさ、悲しさを覚えずにはいられない。


フォト短歌「国債の意味」



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