エッセイコーナー
789.20分の珈琲タイムが繋ぐ絆物語  2023年3月9日

悪夢の東日本大震災から12年目の春を迎えた。
「十年ひと昔」から2年が経ったと云うのに、つい最近のことのように思えて仕方がない。
「光陰流水の如し」「歳月人を待たず」
コロナ禍のもと、自粛生活を余儀なくされ静かに暮らしてきたこともある。その為多少長く感じるときもあったが、こうして過去を振り返ってみると、やはり「烏兎匆匆」である。
一週間程前、何気にテレビのスイッチを入れてみたところ、聞き覚えのある名前が聞こえてきた。
画面を見入ると、北上市在住の高橋静雄さんその人だった。

高橋さんは、北上市街地を一望出来る眺望抜群の立花地区の高台に、農家レストラン「さん食亭」を所有している。
さん食亭は新鮮な食材をふんだんに使った美味しい料理を、バイキングスタイルで提供する人気店だ。
高橋さんは震災の折、被災地の沿岸部に、4tトラックに食料品や衣料品などの生活必需品(支援物資)を満載し、足繁く通っていた。
また、以前商売をされていた被災者の方には、高橋さん所有のプレハブやコンテナハウスを無償で提供し、再起を願い、頑張ろうとする被災者の方への支援にも乗り出していた。

また、仮設住宅に住む被災者の方たちのコミュニケーションや健康を気遣い、遊びや運動が必要だとして、ペタンクなどの道具も贈った。
それ以外にもまだまだあるが、その中の一つに、被災地での炊き出しがある。
今回、テレビ岩手で紹介されたのがそのことだった。
高橋さんと同じように、今も尚、支援活動を続ける人物が遠く四国の香川県坂出市にいる。
名産の讃岐うどん製造販売(日の出製麺所)会社代表の三好修さんである。
今迄35,000食以上の讃岐うどんを提供しているのだと云う。
本当に頭が下がる思いである。

一度や二度の支援なら出来ようが、12年も続けている。
世の中には「自分さえ良ければいい」と云った我田引水で傲岸不遜人間もいるが、高橋さんや三好さんの様に、善の心と利他の精神を持った人たちがいるからこそ、横道に逸れそうになった時にハッと気付かされ、「人としてのあるべき姿」「真の心」を取り戻せるのだと私は思う。
「支援により生まれた絆」つまり、ネバーエンディング絆ストーリーが生まれたのである。

平和で、穏やかな世の中であってほしい・・・。

高橋静雄さんのことを、私が知る範囲で過去に記載した内容>>  ※現在はペタンク道具の募集は行っていない。
理想の循環型農法  2010年3月5日掲載


フォト短歌「さん食亭」  


≪return    Tweet   
 スポンサード リンク (Sponsored Link)
  注:当サイトは著作権を放棄しておりません。引用する場合はルールをしっかりと守るようご注意願います。