エッセイコーナー
535.あめ色の輝き  2020年10月20日

今日で私の割り当てられた米検査がひと通り終わった。
今年の検査は、神経の減摩はもとより、古傷の腰や膝、特に左膝の調子が悪く、テーピングやサポーターの出役を余儀なくされた。その為、時折しかめ面での検査と相成り、周囲に迷惑をかけたのではないかと、大変申し訳なく思っている。
それでも何とか無事に、責務を果たすことが出来てほっとしている。

今年の検査を振り返ってみると、7月の長雨や8月の日照不足による品質の低下が予想されたが、実際に検査をしてみるとそれ程の被害はなかったように思う。
ただ、カメムシ被害や多少いもち病による被害粒は確認されたが、出荷前には色彩選別機により被害粒は選別処理され、一等米となって消費者に届く。

コロナ禍のもと、生産者が汗水を流して一生懸命、大切に育てた今年の新米を、是非ともじっくりと味わっていただきたい。検査をする際には、抽出された玄米をカルトンに並べて検査するが、並ぶ玄米はみなあめ色に輝いている。その輝きは全て、農人(のうもうど)の汗の輝きでもあるのだ。
追記 浜人と書いて「はんもうど」、山人と書いて「やんもうど」と読む。農人と書いて正式な読みは「のうじん」だが、そんなことから敢えて「のうもうど」と読みたい。


フォト短歌「みのり」  


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