エッセイコーナー
624.米価「あまりの下落」  2021年9月19日

今年度のコメの買い取り価格の案内が届いた。
一瞬目を疑った。

<うるち米>
ひとめぼれ(特栽) 1等米(30kg)・・・4,775円
ひとめぼれ(限定) 1等米(30kg)・・・4,700円
あきたこまち(限定)1等米(30kg)・・・4,450円
ササニシキ     1等米(30kg)・・・4,650円
コシヒカリ     1等米(30kg)・・・4,400円
どんぴしゃり    1等米(30kg)・・・4,250円
など、2等米になると更に500円も安い。
とんでもない価格だ。ぐうの音も出ない。

嘗て食管法(1995年廃止)で守られていた当時はまだ良かった。今年度の価格は、物価が上がっているにも係わらず当時の価格より三分の一に下がっている。
一方、牛や豚の食料となる飼料用米は、それ自体は安いが、補助金を含めると我々人間が食べる一般食用うるち米よりも遥かに高い。
政府の意向は備蓄米のだぶつきを解消する為、一般食用うるち米から飼料用米や加工用米への作付転換を進めようとしている。そのことは理解出来なくもないが、まったくおかしな話である。
牛や豚が食べるコメの方が高いのだから。

そんなことをするよりも、必要量の備蓄米を確保した以外のコメについては、一般食用うるち米として生産したコメを、飼料用米や加工用米として流通させ、補助金を一律に分配すべきではないだろうか。
「食料は外国から輸入すりゃいいじゃないか」などとアンポンタンなコメンテーターもいるが、食料自給率127%のフランスでは80%の補助金、日本の約100倍もの農業大国アメリカですら約30%の補助金があるからこそ農業が成り立っているのだ。
「コメは日本人の主食」と云う時代はもう終わったのだろうか。「瑞穂の国」はもう過去の話となり「稗穂の国」「粟穂の国」になりそうである。
これは明らかに新自由主義的な農業政策の失敗だと云わざるを得ない。


フォト短歌「あかえんば」  



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