エッセイコーナー
323.ブルースハープの音色  2018年8月30日

昨晩、ご近所さんの伊師先生(元・国立病院歯科医師)からお誘いがあり、お言葉に甘えて夕食のお相伴にあずかることとなった。
と云うのも、伊師先生の高校(水戸一高)らいの友人(共に東大OB)SさんとIさんが岩手を訪れ、趣味のハーモニカ(クロマチック・ハーモニカやテンホールズハーモニカなど)の生演奏を企画しているとのこと。
仕事の調整を図りながらも、演奏の開始時間になんとか間に合った。
奏者のSさんは3種類のハーモニカを持参され、映画音楽を中心にムードのある演奏が始まった。特にペンダント式の小さなハーモニカの演奏では、先生宅に集まった皆さん一様に、感激した様子だった。

私は特に、テンホールズハーモニカ(ブルースハープ)に興味があった。
テンホールズハーモニカとは耳慣れない言葉(楽器名)だが、一関・文学の蔵から来春発売予定の『ふみくら2号』の原稿を、伊師先生に依頼し、届いた原稿の冒頭にその楽器名が載っており、興味津々だった。
その楽器はファとラの音が出ないとのこと。演奏するときは舌と唇を巧みに使い、ファとラの音を出し、補うとのこと。
観客を前にして演奏するまでには、センスは勿論だが、かなりの熟練が必要となるのではないだろうか。
昨夜初めて生で、その音色を聴き、堪能したが、実に味わい深い音色だった。

また、Sさんの演奏以外にも、伊師先生の知人(地元)による飛び入り演奏(複合ハーモニカ)も加わり、会場は大いに盛り上がった。
出来ることなら、ドラムやギターなどの生バンドを擁してのハーモニカ演奏となれば、その良さがグッと引き立ったのではないだろうか。
Sさんの生演奏を聴きながら、生バンドのリズムに合わせ、テンホールズハーモニカを持ちながら、ブルースやジャズを演奏する自分の姿が、妄想として、ふらっと脳裏をよぎったのだった。

私も今年で還暦を迎え、六十の手習いを念頭に置きつつ、「はてさて何をやろうかな」と思案していた最中なだけに、心の導火線に火がつきそうである。
何はともあれ、実に楽しいひと時だった。
また、料理上手な伊師先生の奥さんによる手料理、特に南部小麦を使った手打ちうどんは格別に美味しかった。


フォト短歌「テンホールズハーモニカ」


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