エッセイコーナー
779.サンサーラ  2023年2月7日

地元の先輩が亡くなった。
先輩と云っても、特別親しい訳ではないが、幼稚園の頃から仲の良かった幼なじみのお兄さんである。
幼なじみの家は当時の小学校にほど近く、下校時にはしょっちゅう遊びに行き、ランドセルをほっぽり投げ、宿題などそっちのけで遊んだものである。
その幼なじみは今から40年以上前、17歳の若さで帰らぬ人となった。白血病の罹患が原因だった。
今でもお盆や春秋のお彼岸には墓前に訪れ、焼香を欠かさない。
来月の春彼岸には、幼なじみ共々お焼香しに訪れたい。

太陽が沈むように、人間のみならず生あるものは全てが、生まれた瞬間から「死」と云う逃れようのない現実、運命を背負いながら生き、命の灯火が消える迄ひたひたと歩み、進んでいく。
私自身の死に対しては、然程恐怖心や寂寥感、況してや未練もないが、身内はもとより、友人知人の死は非常に悲しいものである。
ただ私は、心底から輪廻転生を信じている。思弁であろうとなかろうと、必ずや来世はあると信じている。
友人や先輩たちとの別れも、一時的なものだと信じている。
西に沈んだ太陽が、再び東雲の様に、表情を変えながら静かに明けてくるように、顔や体型は異なるだろうが、来世で逢うことが出来ると信じている。
その時には何かしら感じるものがあると私は思っている。

暫しのお別れですが、先ず以て、千田先輩のご逝去に際し、衷心より哀悼の誠を捧げます。


フォト短歌「千田良一」


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