エッセイコーナー
662.ガソリン高値はいつまで続く  2022年2月3日

以前、当サイトでも苦言を述べたが、依然油代の高止まりが続いている。
新型コロナの影響はもとより、灯油代やガソリン代の高騰は厳冬期の北国にとっては「更なる苦難だ」と云わざるを得ない。
政府はガソリン価格が1リットルあたり170円を超えた場合に、元売り会社に補助金を出すとのことだったが、1月27日1リットル当たり3円40銭を既に出したとのこと。
しかしながら先程燃料を入れにガソリンスタンドに寄ったところ、以前よりも値段が上がっているではないか。
ネットを彷徨ってみると、更に上がるのではないかとの書き込みまである。
いやはや、元売り会社への補助金の恩恵は、末端の我々消費者には届かないと云うことなのだろうか。

以前、経済対策に於けるダム理論に期待したことがあった。
ダム理論は、日銀が金利の指標として参考にする(した)と云われ、この理論(ダム経営理論)は経営の神様と云われた松下幸之助氏が昭和40年代の大不況の折、発表した経営方針を参考にしたものと思われる。
降った雨が直接ダムに溜まり、或いは降った雨が地下水となりダムに流れ込むとダムの水位が上がる。水位の上昇によってダムが一杯になると、放流して下流に流す。
一番上のダムに注ぎ込まれる水が大企業の利益に例えるならば、大企業が利益を上げ、内部留保を増せば増すほど、社員にボーナスや給料の上乗せをして利益を還元すると云う理論である。

しかしながら現実は違う。
一番上の大きなダムは更に嵩上げをして容量を増やし、下流に流れた少しばかりの水は2段目のダムに溜まり、2段目のダムは更に嵩上げをして容量を増やしていく。結局下流にはほんの僅かな水しか流れてこない。
いや、その間に気化してなくなってしまう。
それと同じことが、元売り会社への補助金で起きようとしている。
「結局は消費者には届かないと思うよ」と、あるガソリンスタンドの経営者がもらしていたが、全くその通りであろう。
そのことは最初から分かっていた筈である。

「ガソリン価格を下げさせる目的での補助金だ」とのことだったが、とどのつまりは「末端の我々国民のことを念頭には置いてはいない」と云わざるを得ない。
はてさて、先の衆議院選やその前の総裁選では新しい資本主義を掲げ、富の再分配論を展開すると明言していたが、本当に実現出来るや否や。甚だ疑問である。
まず先に行うべきことは、トリガー条項の凍結を一刻も早く解除し、タックス・オン・タックス(二重課税)のガソリン税を早急に見直す必要がある。勿論それら全体にかかる消費税は云うまでもない。

とある野党はヒトラー呼ばわりでヒートアップしているようだが、そんなことよりガソリン価格を下げさせるべく、矛先を変え、徹底的に抗議し、我々末端の国民に目を向け、救う努力を惜しまぬよう願いたいものだ。


フォト短歌「凍てさはますや」


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