エッセイコーナー
195.岩手県南花ライン  2016年6月24日

「池坊 花逍遥100選」の中に、岩手県内の花の名所、2箇所が認定されている。
その一つが世界遺産平泉の「毛越寺の花菖蒲と萩」。もう一つが一関市舞川の「みちのくあじさい園」である。
池坊 花逍遥100選とは、平成26年6月27日の「花きの振興に関する法律」制定を機に、花と関わって550年以上の歴史を誇る「池坊」が、「華道の精神を映している」と「未来に残したい」の両方を満たす花の風景を、都道府県別に抜粋し、日本文化を誇るにふさわしい花風景100箇所を認定したもの。

毛越寺の花菖蒲、あやめ祭りが6月20日(月)より開かれ、3百種3万株の花菖蒲が咲き誇っている。期間は7月10日迄。
その開園期間に、邦楽演奏会や延年の舞公演などの行事が準備されている。
一方のみちのくあじさい園の開園期間は本日、6月24日(金)から7月25日(月)迄。
期間内には色んなイベントも企画されている。
15ヘクタール(約4万5千坪)の杉木立の中、クロヒメやアナベル、ヤマアジサイなど3百種3万株以上(2016年6月25日の新聞には、5百種6万株と紹介されていた)のアジサイの開花がこれからピークを迎える。七変化の微妙な色合いのコントラスト。両性花、装飾花の大小によるコントラストも楽しめ、違った味わいや楽しみ方が出来るのではないだろうか。

毛越寺の座標は北緯38度98分、東経141度10分。そこから東に約10分。緯度はそのままにしてみちのくあじさい園がある。すなわち北緯38度98分上に、花逍遥100選認定の岩手県南花ラインが存在する。
これからの約一ヶ月間、是非とも岩手県南花ラインを縦断していただき、花と緑の競演を堪能し、みちのくの風土と古(いにしえ)の文化に触れてみていただきたい。
「明日ありと思う心の仇桜夜半(よわ)に嵐の吹かぬものかは」と、親鸞上人の道歌にもあるように、見ようと思った時に見ないと嵐が吹いて散ってしまうかもしれない。人生もまた同じである。

また、岩手県南花ライン以外にも、世界遺産の中心的存在の天台宗東北大本山 関山 中尊寺を初め、20km圏内には、西に国の名勝及び天然記念物の厳美渓、東に日本百景の一つ、名勝猊鼻渓と云った巨岩、奇岩を配する渓流、清流の美を堪能できる。勿論、随所に美味い処も点在しており、目と心とお腹を満たすこと請け合いである。

追記(6月25日)
みちのくあじさい園のあじさいの種類や株数について、本日の地元紙(岩手日日)には5百種6万株と紹介されていた。
確かに3百種3万株はかなり以前の数値であり、年々種類や株数を増やしていることは既に承知していたが、まさかこれ程迄に増えているとは予想だにしていなかった。この種類・株数だと東日本では勿論、日本で一番ではないだろうか。


あじさい園マップ 毛越寺菖蒲祭り よひら
   



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