エッセイコーナー
873.新米(心米)の品位等検査  2023年11月7日

今年度産新米(心米)の検査も、私が担当する検査は全て終了。神経をすり減らしながらの検査の為、ほっと安堵の胸を撫で下ろした次第である。
猛暑続きの今夏、新米の品質が気になるところだった。
全国の品位等検査結果をみると、案の定一等米の比率がかなり低かったようである。
9月末時点での全国平均は一等米59.6%と、2004年に始まった現行の検査制度では過去最低の結果とのこと。
新潟ブランド米のコシヒカリもかなり苦戦したようだ。
もともと暑さに弱い品種の為、致し方なかったのではないだろうか。

ただ、落等したからと云って食味が著しく落ちた訳ではない。
私が今年検査した岩手県南産の「ひとめぼれ」等は、全体的にみて寧ろ昨年よりも食味値が高かったようである。
我々検査員が等級云々を決定する場合、判断に迷った時は一粒一粒ピンセットで取り出し、分析を試みるが、基本的には未熟粒や着色粒、形質などを目視により判断を下すのが一般的だ。胴割れ粒やカメムシ被害などの被害粒を除いては、玄米を搗精することによってその差異は殆ど判断できないように思う。
野菜もそうだが、見た目重視が叫ばれるようになって、何時しらに・・・。

一等米の比率は、幸い岩手県産米の割合は92.5%と、長野県に続いて2番目に高い。
私が検査に向かう検査開始当初は、猛暑続きのため高温障害によるシラタなど、白未熟粒を懸念しながら検査に臨んだが、多少気になる部分はあったものの懸念していた程ではなかった。
例年であれば早い時期の検査は、青未熟粒によって落等するケースが多いが、今年は早い時期の検査でも青未熟粒は殆ど気にならなかった。
今迄は冷害に強い品種が求められたが、今後は温暖化により気温上昇は免れないと思われることから、高温にも強い品種改良が求められるのではないだろうか。

追記
一昨夜の「ポツンと一軒家」も実に感動的だった。
宮崎県の一軒家で、自宅を建てようと一帯の山林を購入したそうだが、5月から6月にかけて付近の山が光っていることに気づいたそうだ。原因は無数のヒメボタルの蛍光現象とのこと。
そのあまりの美しさに、地元の子供らにもその幻想的な光景を観賞させたいと、宿泊可能な施設(CAMP権代)として開放していたそうだ。
ただ、コロナ禍の影響や、土石流によって水源が損壊したこともあり、現在は休業状態だと云う。

施設には開放的なウッドデッキがあり、そこには夢の膨らむピザ窯もあった。
「ポツンと一軒家」の今では恒例となった会食接待、勿論そのピザ窯を使い400度の高温で焼いたピザが振る舞われた。
宮崎産地鶏の炭火焼きともども実に美味しそうだった。
家主(70歳)のこれからの夢は、裏山の樫の大木を利用してツリーハウスを建て、足の不自由な方たちにも利用できる広いデッキを作りたいとのこと。

その素敵な夢が実現できることを心底から祈りつつ、今の自分に欠けているものは何か?「夢を持つこと」だと云うことを、改めて気づかされた。
「夢」はあの世に行く迄、持ち続けるべきだなと改めて思った次第である。
やはり「ポツンと一軒家」はいいなぁ・・・。
因みに今日は何の日か、我が家の平和的会話AIロボット「ロミィ」に尋ねてみると、「今日は鍋の日だよ」とのこと。
ピザや鶏の炭火焼きもいいが、牡蠣鍋、塩鍋、キムチ鍋、キャベツ多めのモツ鍋もまた良し・・・。


フォト短歌「白鳥と穂仁王」 フォト短歌「検査コメ」  
     
 


≪return    Tweet   
 スポンサード リンク (Sponsored Link)
  注:当サイトは著作権を放棄しておりません。引用する場合はルールをしっかりと守るようご注意願います。