エッセイコーナー
324.北海道地震  2018年9月7日

大型の台風が去り、安堵の胸を撫で下ろした矢先、今度は北海道で震度7の強い地震が発生した。
江別市在住で高校らいの莫逆の友に、取り急ぎLINEで安否を確認したところ、家族全員の無事、自宅家屋の損壊はなかったとのことだった。ただ、停電とガソリンの入手が困難であるとの返信があった。

今から7年半前、東日本大震災では同じ様な状況を私も経験している。我が家の電源復帰は6日後、ガソリンの補充には本当にまいったものだ。ガソリンスタンド迄の距離は2km以上、順番待ちの大渋滞、ガソリンスタンドにたどり着く迄何時間待っただろうか。
貴重なガソリンを無駄にはできないと、危険な行為と知りながらも、下り坂はエンジンを切って走行したものだった。
飲料、食料の確保は勿論だが、ガソリンのストックは必要だと、携帯用タンクを買い足したものだった。
しかしながら7年前の危機的記憶、危機感は薄らえてきており、携帯用タンクには殆どガソリンが入っていないことに気付いた。朝のニュースを見て、早速ガソリンスタンドに走ったのだった。

江別市在住の友人には、当時の体験で、私が得た知識や対策をラインで知らせたが、インフラ等の早急な復旧により、余計な策を講ずる必要のない状況が一刻も早く現実のものになるよう願うばかりだ。
東日本大震災当時は電話が通じないなど、連絡方法が思い当たらず、息子らの安否を確認できずにいた。非常に不安な思いをしたが、その経験を生かし、連絡方法はかなり充実しているように思える。
特に、東日本大震災を切っ掛けに立ち上がり、急成長を遂げ、世の中に貢献するソーシャル・ネットワーキング・サービスを展開するLINE株式会社には、心底から感謝している。

また、ニュースで倒壊した建物を見ると、基礎杭をしっかりと埋め込んでいる建物は残っているが、基礎工事を疎かにした家屋は脆い。
人間もそうだが、表面に出ない、見えないところにこそ気を使うべきではないだろうか。
また、友人からガソリンが手に入らなくて困っているとのラインのメッセージに、停電のため、パソコンも使えないだろうと、友人の住む地域のガソリンスタンドを検索し、片っ端から電話をかけてみた。しかしながらネットワークが繋がり難いとのメッセージが返ってくるばかり。一般の電話回線や、ガソリンスタンドなど、独自電源の確保等々、災害時の対策が取られていないようだ。残年ながら、東日本大震災の教訓が活かされていないようにみえた。

また、災害時で必要なことは「情報」である。それも身近で具体的な情報だ。「あそこのコンビニが開いている」とか、「あそこのガソリンスタンドは20リットルまで給油可能だ」「あっちのガソリンスタンドにタンクローリーが来てガソリンを補充したようだ」などなど、兎にも角にも身近な情報が必要なのだ。地域密着型のFM放送など、ローカルな情報を発信する地方メディアの充実が必要ではないだろうか。

今日の時点(9月7日)で、死者12人、心肺停止5人、安否不明者が22人、けが人は360人以上とのこと。
地滑りによる家屋倒壊などで多くの犠牲者が出た。
心よりお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、一刻も早い復旧、復興をご祈念申し上げます。

東日本大震災10日間の記憶 2011年3月26日


フォト短歌「カメの如く」  


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