エッセイコーナー
586.四百年目の稲作  2021年4月23日

いよいよ令和3年度のコメ作りが始まった。
以前は自前で種蒔きをやり、育苗機に入れて3・4日発芽を促し、芽出しが確認されてからビニールハウスに移動し、田植えの準備に取り掛かっていた。
ところが、諸事多忙もあって苗作りは2年前から外注していた。
そんな折、昨年12月の大雪によりビニールハウスが倒壊した。
もし、自前で育苗するとなるとビニールハウスを建て直す必要があったが、「幸い」と云ってはなんだが、焦る必要はなくなった。

ただ、倒壊したハウスをそのまま放置しておくわけにもいかず、撤去しなければならない。
7・8年前にも、一晩に50センチ程降ったドカ雪の為、1棟のハウスが倒壊したことがあったが、その時は空いた時間を利用して自分一人で撤去した。
しかしながら今回は膝の調子が芳しくなく、業者に依頼することにし、漸くその撤去作業が終わった。
長年馴染んできたハウスがなくなるのは、一抹の寂しさを覚えるが、それも時代の流れと云うことであろうか。

今週よりタイミングを見計らって田起こしを始めたが、いつもはほぼ同時にトラクターの重低音を響かせていたご近所が、稲作を止めることにしたとのこと。また、近くの同級生も稲作を止め、機械を処分しているとのことである。
高齢化や後継者不足、コメ価格の下落と云った切実な現実や消費者のコメ離れなど、時代の流れや世の趨勢に抗うことの難しさをひしひしと感じている。
初代が孫を伴って今の居処に隠居してから約400年、稲作を続けながら代々田畑を守ってきたが、そろそろ進退を真剣に考えるトキがきたようである。


フォト短歌「すももの花」  


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