エッセイコーナー
61.果報だんご    2013年11月12日

一昨日の日曜日、私どもの民区の敬老会が行われた。
一関市全体での敬老会は既に終わっているが、毎年農繁期が終わった後の11月に行われる。
毎年子供らや婦人部による踊りの披露や色んなアトラクションがある。
また、お年寄りを労う為のご馳走が振る舞われるが、そのなかの一つに「果報だんご」がある。
果報だんごとは、だんごの中に萩の小枝をランダムに入れておき、噛んだ時に小枝が入っていれば当たりとなり何がしかの景品と交換をする。

この辺では毎年12月24日に、古くから各家庭で作られている伝統の料理である。
元々はくず米を利用しての料理だったようで、無駄にしないための工夫がこの景品交換だったのではないだろうか。
そもそもの起源は、日本全国を旅する僧侶が、一関のとある民家を訪れ、一夜の宿を請うたそうだが、当時の民家は非常に貧しく、お客人をもてなす料理がなかったにも係わらず、「おもてなしの心」で出した料理がこの「果報だんご」の起源とされる。

私も子供の頃はこの果報だんごが楽しみの一つでもあった。
当時我が家では果報だんごの当たりは、10円硬貨だった。子供の頃は小遣い欲しさに随分と食べたものだが、実のところは然程美味しいものではなかった。
しかしながら一昨日の「果報だんご」はとても美味しく、ついつい、丼が溢れんばかりの2杯目も平らげてしまった。最近は景品云々よりも、素材が持つ本来の美味さが少しずつ分かってきているように思う。

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