エッセイコーナー
298.改竄三昧  2018年3月29日

改ざん、改ざんと次から次と芋づる式に不正な書き換え問題が紙面を占拠している。
森友問題から、更には加計問題にも飛び火していくのだろうか。
また、それ以外にも、意表を突く業界でも改ざんの不正行為が発覚したようだ。
ノーベル賞受賞者であり、IPS細胞の生み、名付けの親であるIPS研究の第一人者、かの山中伸弥教授のお膝元での発覚である。
山中教授が所長を務める京都大学IPS細胞研究所の筆頭責任者(36才)が、昨年2月、米科学誌に発表した掲載写真12点のうち、11点が捏造、改ざんがあったとして内部通報により発覚したものだ。

当人は懲戒解雇処分を受けたようだが、上司である山中教授も、監督責任を問われ処分されたとのこと。
処分内容は公表されていないが、山中教授は自主的に当面の給与相当額をIPS細胞研究基金に寄付するとの発表があった。たとえ知らぬこととは云え、責任者としての責任を全うし、過剰な程の贖罪する姿勢は実に見事であり、感銘すら覚える。流石は山中教授である。
責任感の強さ、潔さには心から敬意を表したい。ただ、山中教授と云えば、前述したとおり再生医療の実現に重要な役割を果たすと期待されるIPS細胞研究の第一人者である。

今後の医学に於いて、多大な好影響を与えるものと期待されている。
日本国民の全てが、いや全人類の期待を一身に集めていると云っても過言ではない。
そのような崇高で、世が必要とする稀代の人物を処分すべきなのだろうか。
非常に後味の悪い、今回の改ざん問題である。他に処分されて然るべき人物、権力に胡座をかく人物が厚顔無恥な体でのうのうと永田町界隈を彷徨いている現実に、腹立たしさと空虚感を覚えずにはいられない。


フォト短歌「改竄」  


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