エッセイコーナー
112.隠れ家  2014年12月16日 

子供の頃、学校から帰ってくると、直ぐさまランドセルを放り投げては裏山の竹やぶに走って行き、妹と一緒に隠れ家をこしらえたものだった。適当な板やダンボール、近くに生えている茅、勿論竹も貴重な材料の一つだった。
多少の雨露は凌げても、そこはそこ子供の作ったもの。強度や気密性は推して知るべしだ。

ただ、夏は非常に快適だった。何しろ通気性が良い。辺りは枯木の大きな杉の木に覆われており、陽よけも十分だった。
日が傾く頃には、直ぐ後方には我が家の昔墓があって、流石に怖さを感じたので自宅に戻ったが、それ以外は殆どその隠れ家で遊んでいたものだ。
おやつには、お菓子は勿論のこと、祖母に頼みこんでおにぎりを作ってもらい、時には自分で握ったものをそこで食べるのが実に美味しいと思ったものだ。

隠れ家での楽しみは、ただ寝転んでごろごろしたり漫画本を見ているだけというよりも、そこの壁の隙間を何で埋めようか、屋根ももうちょっと高くした方がいいかな、隣に小部屋でも作ってみようか、などと色々考え、夢を膨らませるのが実に楽しかった。
創作することの楽しさや喜びをこの頃知ったような気がする。

大人になってからは、忙しさに託けて殆ど大工の真似ごとなどはやってはいないが、決して創作の喜びや楽しさを忘れた訳ではない。何れ折をみて、ツリーハウス作りでも挑戦したいと思うのだが、但し、私の作るツリーハウスでは、台風がきたら直ぐに避難した方が良さそうだ。九分九厘、吹っ飛ばされること請け合いである。



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