エッセイコーナー
660.白き北の旅人たち  2022年1月28日

「白き北の旅人たち」と題して、動画を作ってみた。
大寒が過ぎ、少しづつ寒さが和らぎつつある今日。地元、一関市の遊水地には北帰行についたであろう沢山の白鳥たちが落ち穂などを啄んでいた。
遠く離れたシベリアまで、後4000kmはあるだろうか。かなりの長旅である。
ギリシャ神話に出てくる白鳥は、アポロに捧げられた聖なる鳥として、美しさや優雅さを連想する清らかなイメージの鳥だが、アンデルセンの作品のなかに『野のハクチョウ』と云う短編童話がある。
主人公はエリサと云う可愛らしいお姫様。
他に11人の兄、王子たちがおり、幸せに暮らしていた。

ところが、王様の後妻に入ったお妃が意地の悪いママ母で、エリサは貧しい農夫の家に預けられ、11人の兄たちは白鳥に変えられたと云う悲しいお話である。
そのことを思えば、白鳥に対するイメージはあまり良いものではないようにも思えるが、私がもし、生まれ変わることが出来るのなら白鳥に生まれたいと子供の頃によく思ったものだ。
もっとも、4000kmの長旅に堪え兼ね、函館海峡辺りで海の藻屑と消えそうだが、それでも、子供の頃のみならず、還暦を過ぎた今でもそう思っている。何しろ自由に空を飛び回り、行きたいところに自由に行けるのだから。
そんな願いを込めて動画を作ってみた。前出のアンデルセンの『野のハクチョウ』をモチーフに詩を詠み、最後に短歌2首を添えてみた。
自然に対する畏敬の念と、白鳥への憧憬の想いを込めながら・・・。


フォト詩歌「北の旅人」  


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