エッセイコーナー
252.心の種  2017年8月3日

先日、兵庫県の小学校で、30代の男性教諭が児童を対象とするアンケートで、「担任教諭は信頼できない」との項目を選んだ児童ら6名に対して、その理由を詰問したとのことだ。
子供は正直なので、厳しい先生には反感を持ったり、嫌いになるだろう。嫌いな先生に対して、アンケートで「信頼は出来るのか?」と問われれば、正直に、「NO」と答えるだろう。質問の内容にも問題があったのではないだろうか。
そもそも、そんな質問をすべきなのか。甚だ疑問に思う。

アンケートの内容を疑問視する問題が過去にもあった。
茨城県の中学3年の女子生徒が自殺した問題で、学校側がいじめに関する全校アンケートの折、自殺について触れなかったことが問題となった。そのアンケート調査の結果を踏まえ、当時、市教育委は「いじめはなかった」と結論づけた。
確かに、実態を調査する上でアンケートは有効的な手段であることに疑う余地はない。
しかしながら、問う内容をしっかりと吟味することや、問う側の姿勢を正すことが必要不可欠であり、先決問題であると云えるのではないだろうか。悲しいかな、現状はそうではないようだ。

先日、新潟県のとある小学校で、福島県から自主避難した小学生に対して、担任の教諭が生徒らと一緒になって「菌」呼ばわりするなど、言語道断な行為があった。まったくもって許し難い蛮行であり愚行だが、現実的には、このような陰湿で痴態な行為がなくなることはないと云うのが現実であり実態である。
これらの不埒な行為に対して、社会的に批難され、糾弾されるべきは当然の応報と云えるが、いじめを受ける側も、心を強く持ってほしい。いつか必ずや救いの手が差し伸べられる。絶対に諦めないでほしい。

成功者と云われる人たちは、過去に数々の苦難を経験し、乗り越えている。いじめなどの逆境を乗り越え、己が信ずる道を迷わずに進み、絶対に諦めることなく事を成し遂げている。そんな成功者たちの残した名言を「心の糧」として、どうかいじめなんかに絶対に負けないでほしい。

心に撒いた種に涙の水を落とし、綺麗な花を咲かせてほしい。半沢美子「種」より)


フォト短歌「心の種」  


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