エッセイコーナー
776.新型コロナの感染症法上の位置付けについて  2023年1月27日

これまで2類相当の新型コロナ感染症法上の位置付けが、5月8日に5類相当に引き下げることが決定したようだ。
5類相当は季節性インフルエンザなどと同じ条件とのことで、入院勧告や就業制限、患者や濃厚接触者の行動制限が出来なくなる。また、ワクチンや医療費などは自己負担となり、受け入れる医療施設は一般の医療機関となる。
確かに、経済活動の正常化と云う点では望ましいことではある。
この3年間、「呑みに行きたいが我慢」「行ってみたい所も断念」遊びも控えてきた。
人生100年時代とは云え、そのうち自由に動けるのは50年足らず。その15分の1の貴重な時間が自重を余儀なくされたのだから残念に思うのも無理はない。

また、マスクについても、屋外はもとより屋内でも必要ないとする案が出ている。確かに、出来ることならマスクは外したい。兎にも角にも邪魔。特に夏などは地獄である。
しかしながら、感染拡大がなかなか収まりそうにない第8波では、死者が1日500人を越えることもある。
5類相当に引き下げた場合、特に懸念するのはワクチンや医療費の自己負担である。ワクチンはもとより、新型コロナ対応の医療費はかなり高価だと云われている。
そのことから一番の心配は「受診控え」である。第9波、第10波へと広がらなければ良いのだが・・・。
ワクチンや医療費はこれまで通り公費で負担すれば良いのではないだろうか。

何故、2類から一気に5類に移行するのか、3類や4類がないのか、ふと思い、調べてみると3類以降は全てワクチンや医療費は自己負担となっている。
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部が、令和3年2月 13 日に改正されたようだが、3類以降についてのワクチンや医療費負担についても、公費負担の検討をしていただきたいものだ。
それにしても連休明けの5月8日、5類に移行するとのことだが、ゴールデンウィークで移動した後に感染拡大が懸念されるのが一般的だろう。
国民負担の軽減を慮るなら、せめて後一週間位は先延ばしにしても良さそうに思うのだが・・・。

昨今、望ましいディマンドプルインフレではないコストプッシュインフレによる物価高により、コロナ禍で傷んだ心や家計に、更に負担増を押し付けるのは如何なものか。
況してや、防衛費増税を求める虐政が「善」であると云った空気感が広がっている。
「国防の為の血税は国民の義務だ」との正論、いや、誤った財政観や貨幣観から齎された、僻目とも云うべき誤認識の答弁を高唱する政治家らもいる。
本来なら、「世界で日本のみ」と云われる国債60年償還ルールを廃止することにより、防衛費増額の財源は十分に確保出来る。所謂埋蔵金とやらで充当すれば増税の必要がなくなる。

先頃の衆院本会議で、防衛費増額について岸田総理は、自民党内の責任ある積極財政を推進する議員連盟の議員らが60年償還ルール撤廃を唱えることに対し、煮えきらない回答を示している。
「結果的に国債発行額が増加することや、市場の信認への影響に留意する必要がある」と述べている。
しかしながら、過去に何度か償還しなかった時期があるようだが、全く市場の信認への影響はなかったと、当時の責任者が話している。
また、「市場への信認」については、実際に格付け会社に打診してみたところ、「全く問題ない」との回答があったそうだ。兎にも角にも、財政観、貨幣観をしっかりと正していただき、「日本国民の為」の正しい政を執り行うよう、心から願ってやまない。


フォト短歌「外気」

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の概要


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