エッセイコーナー
869.熊の脅威  2023年10月27日

熊に襲われる獣害が相次いでいる。
10月19日午後2時頃、岩手県八幡平市の山中で男女2人が熊に襲われ、70代の女性が遺体で見つかった。男性も頭や手に負傷を負ったとのこと。
秋田県北秋田市でも、10月19日、白昼堂々と市街地に熊が出没。5人に危害を加えている。
秋田県では今年に入って既に50人以上が熊による被害を受けている。
全国の熊による死者数も2年前の令和3年には5人。昨年は2人。今年に入り現時点で既に4人の命が奪われている。
冬眠に入る迄、未だ時間があることから、更に被害は増えるのではないかと懸念される。

今秋は熊の餌となるどんぐりなどの木の実が、今夏の激暑により不作の為か、人里に下りてくるケースが多見される。
人と熊との共存を求められて久しいが、果たして本当に実現可能なのだろうか。
人間への直接的な危害は元より、穀物や家畜への被害も相次いでいる。
2019年頃から北海道東部の標茶町や厚岸町一帯で、66頭もの牛を襲い震撼させた事件があった。酪農家への多大な被害を齎した「OSO18」が、今年7月に漸く駆除された。
また、秋田県でも3頭の熊が駆除されている。

しかしながら残念なことに、それに対して「なぜ殺したんだ」「可愛そうじゃないか」との苦情が殺到したと云う。
鳥獣保護法や動物愛護法もあり、理解は出来なくもない。日本の国土、自然は確かに人間だけのものではない。動物たちにも住む権利がある。
しかしながら、人家が襲われ、大切に育てた家畜や穀物が被害を受け、更には人間が殺されている。
一度人間を襲い、人肉の味を占めた熊は再び人間を襲うだろう。
駆除は防衛手段としてやむを得ないことではないだろうか。

「専守防衛」の発想は、対、野生動物のみならず、我々人間の生命や財産を守る上で蓋然的な基本理念ではないかと私は思っている。
人の命を守る為に、酪農家の財産を守る為にと、危険を顧みず駆除してくれた猟友会の人たちに対し、あまりにも失礼な対応は止めていただきたいものである。

「熊の出没」と云えば、私のお気入りTV番組「ポツンと一軒家」もまた熊が出そうな場所が多い。
先日の日曜日に放送された「ポツンと一軒家」も、山形県の山中とあって家主も何度か熊を見かけたにちがいない。
86歳の家主が10メートル以上もある茅葺屋根の修理を毎日、こつこつと茅の入れ替えをやっていた。その道具も全て家主の手作りとのこと。
母屋の周辺には融雪池もあり、近くのダム湖で釣った野鯉24匹を飼っていた。
今では定番となった取材スタッフへの「ふるまい」で、ホタテ入りのソーメンはたまらなく美味しそうだった。
呉れ呉れも熊には注意していただきたいものである。

265.熊に注意!!  2017年10月5日 (私の熊との遭遇体験記)


フォト短歌「ヒコバエ」


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