エッセイコーナー
306.草刈り三昧  2018年5月28日

お田植えも無事に終わり、「ひと休み」と云いたいところだが、そう甘くはない。朝な夕なに伸び増え狂う雑草がどんどん勢力を増している。我が家では一巡目の草刈りも佳境に入り、草刈り三昧の日々に追われている。
昨年、中山間事業の一貫で購入した草刈りモア(フレールモア)のお陰により、休耕田の平坦部は一日がかりでほぼ刈り終えることができた。しかしながら問題はこれから、傾斜地である。
ここは中山間地、土手の法面は急な上に法足が長い。傾斜地用の草刈りモアを保有してはいるがものの、伸び増え狂い、勢力を増した雑草はとても手に負えるものではない。
勿論、伸びきる前に刈りたいのはやまやまだが、時間の関係上、仕事の合間を縫っての一人作業では到底叶う筈もない。結局は肩に担ぐ草刈り機とスパイク付きの長靴を戦力とし、多用することになる。
いやはや、一巡目が終わる頃には、最初に刈った土手草の勢いが増すばかりである。休む間もなくニ巡目の戦闘態勢に入らねばならない。

先日の報道特集(TBS系列)で、カメムシ防除に関わる農薬の特集を組んでいた。
出穂期からコメの硬度を増す間に、カメムシがくちばしを射して吸汁すると、後に黒い斑点が現れ、検査時には着色粒となって等級を下げる原因となる。
通常の等級検査に於いて、カメムシの被害粒のみに着目した場合、0.1%迄は1等米、0.2%から0.3%迄が2等米、0.4%から0.7%迄は3等米、0.8%以上の混入が確認されると規格外となる。
当然お米の受け渡し金額も等級の違いにより価格差が生じる。当然高い方が良いに決っている。
その為、農薬を使用してカメムシ対策を施すのが昨今の米農家の主流となっている。

現在使用されている農薬は、ネオニコチノイド系の殺虫剤である。人体にはあまり影響がないとされるが、盛んに問題となっているのがミツバチへの悪影響だ。養蜂農家が多大なダメージを負っている。のみならず、自然界のバランスをも損ねかねないとして非常に問題視されているのだ。
幸い我が家では過去に一度も使用したことはない。水田の場所、自然環境、地域差もあるようだが、日頃の管理が重要と云える。
出穂期の直前には草刈りを控えるなど、草刈りの時期がそのポイントとなるのは云うまでもないが、労を惜しまぬ日頃の心構えが重要ではないかと思っている。

また、番組でも紹介されたように、昨今の機械、科学技術の進歩は目覚ましい。
着色の判断を全てコンピューターが行い、センサーに通すだけで識別し、斑点米などの着色被害粒を取り除いてくれる色彩選別機(しきせん)が実に頼りになるのだ。
着色被害が出た場合は私も最新の色彩選別機を完備する地元JAに依頼するが、低料金での利用が可能である。
薬剤代との経済比較でもあまり孫綽ないと思うのだが、それよりも何よりも、以前から述べているように、今後も自然界のバランスを大切に考えていきたい。


フォト短歌「草刈り疲れ」 フォト短歌「朝餉」

その他の写真など>>


≪return    Tweet   
 スポンサード リンク (Sponsored Link)