エッセイコーナー
590.味覚の器官の最高度  2021年5月8日

春の食卓はやはり良い。
なんと云っても山菜料理。
かの北大路魯山人は、「わらびはもちろん取りたてでなければいけない。型の如くゆでて灰汁(あく)を抜き、酢醤油で食う。これが実に無味の味で、味覚の器官を最高度にまで働かせねば止まない」と云っている。

私はどちらかと云うと、わらびはしょうが醬油和えの方が好みだ。 筍をたっぷり入れた筍ご飯、野蒜(のびる)の酢味噌和え、タラの芽やコシアブラの天麩羅とマヨネーズ和え、そして、しょうが醬油のわらび。
それになんと云っても赤ミズ(ウワバミソウ)だ。
葉は卵とじの醤油汁、茎は酢味噌和え、このミズの酢味噌和えがまた堪らなく美味しいのである。

我家の裏山にはワサビやシドケなど、以前移植したものがかなり増え広がっているが、それらをすっぽり覆うようにミズが群生している。
毎年春になると、その中からほんの少しだけいただき、自然の恵みを堪能させていただいている。
私にとって味覚の器官を最高度に迄高めてくれるものは、この赤ミズの酢味噌和えなのかも知れない。


フォト短歌「赤ミズ」  

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