エッセイコーナー
483.カスハラ  2020年5月7日

新型コロナの目に見えぬ脅威に対して、自己を犠牲にしながら職務を全うする医療従事者には本当に頭が下がる思いだ。ただただ、早期の収束を願うばかりである。
そんな医療従事者や家族に対して、謂われ無き偏見に晒されると云った、なんとも虚しい現実に、呆れるどころか、抑えようのない憤怒の念がこみ上げてくる。世間とは斯くも・・・。

「偏見」と云えば、最近巷で「カスハラ」と云う言葉が囁かれるようになった。
商店などで、客が理不尽な要求やクレームをつけるなど、「カスタマーハラスメント」の略だそうだが、「セクハラ」
「パワハラ」等々、ハラスメントが横行する歪な社会を象徴する言葉である。
スーパー等で買い物をする際、レジで一生懸命に働いている店員に対して、カスハラ連中は、「汚いから触らないで」「消毒してるの?」と菌扱いするのだそうだ。とても許し難い行為である。

新型コロナに戦戦恐恐とする今日、先の見えない閉塞感に苛まれ、疲弊する毎日を送っていると、他者に対して攻撃的になると云った粗暴な本能の一部が顔を出したのかも知れない。しかしながらその鬱憤の捌け口となった者たちはたまったものではない。
大人の対応を望むばかりだが、世界には一国のトップがカスハラの塊のような人物もいる。
ただ、「仕方ない」「已む無し」と納得するのではなく、反面教師として肝に銘じるべきである。

そんな鬱屈とした話題を払拭するかのような話が、昨日のニュースで報じられた。
かの「神の薬! イベルメクチン」である。
先月、新型コロナウイルスの抑制に効果があると、オーストラリアのモナシュ大学研究チームが発表した薬だ。
開発者は2015年のノーベル医学生理学賞受賞者、慈愛の心を持った北里大学特別栄誉教授の大村智(84)先生である。イベルメクチンを安倍総理も注目しているとのこと。
目に見えぬ脅威、新型コロナの一刻も早い収束を祈願し、完全なる終息を願うばかりである。


フォト短歌「山笑う」


≪return    Tweet   
 スポンサード リンク (Sponsored Link)