エッセイコーナー
876.「ポツンと一軒家」の舞茸料理と第12回全国もちフェスティバルの餅料理  2023年11月14日

一昨夜の「ポツンと一軒家」もまた感動的だった。
今回は隣県秋田県の一軒家で、自宅(元・民宿)は3階建ての立派な建物。大工さんの家主が一人で建てたそうだ。
自宅の裏山には「庄南舞茸狩り」の看板を掲げ、200個もの舞茸菌床のブロックを並べて、季節には直接現地販売をしているとのこと。
最初の取材から約一ヶ月後、家主から連絡を受けた取材陣が再び訪れると、見事に舞茸が育っていた。
今ではポツンと一軒家の恒例となった手料理の接待、いわずもがなの取り立て舞茸をふんだんに入れたキリタンポ鍋が振る舞われた。
「香り舞茸味しめじ」モニター越しだが、香りが漂ってきそうで実に美味しそうだった。

「美味そう」と云えば、甘党人間にとって餅料理も無視できない料理である。
土日の2日間、一関市総合体育館西側駐車場の特設会場で「第12回全国もちフェスティバル」が開催され、多くの来場客で賑わっていた。
岩手県一関市は古くから餅食文化が盛んで、知る人ぞ知る、餅好きには知られた土地柄である。
当地、一関では、その餅食文化を後世に伝えるべく、また認知度を高める為にイベントが開催されている。
今回の第12回全国もちフェスティバルもその一つである。
コロナ禍や台風の影響により4年ほど中止を余儀なくされたが、昨年は辛うじて地元店のみによって開催された。
今年は幸いにも青森県や静岡県など、他県からの出店もあって2日間とても賑わい、秋を惜しむかのように、一関の空に餅料理の甘くつまやかな香りがほんのりと漂っていた。

私は毎度のことながら、どこの店の、どの餅料理を食べようかと散々迷った挙げ句、結局手ぶらで帰るなどと云うことも過去にはあった。
そんなことから、自宅を出る前から「必ず買うぞ!必ず食べるぞ!」と意気込んで会場に向かった。
21店舗もの出店に、今回も迷いに迷ったものの、食欲だけは失うことなく3店舗から購入することになった。
久慈市のドリームアップ「短角牛餅入メンチカツ」、地元一関市本寺の若神子亭「南部一郎かぼちゃねぎもち、かぼちゃ入り雁月、かぼちゃ入りマドレーヌ」の三品。
そして青森県黒石市の寺山餅店「三色くりぃむ大福」を購入することにした。

本当はもう一店舗の一品に目星を付けていたものがあった。
「後で買いに来ますから」と一言云い残し、一通り見て回り戻ってみると、私の直ぐ前の客で売れ切れてしまったとのこと。いやはや、フォトジェニックもそうだが、撮ろうと思った時にシャッターを押さないと好機を逃すことになる。
買おうと思った時に買わないと「時既に遅し」である。
因みに、目星を付けたものとは、釜石市から出店のいわて釜石もち屋くどうさんの「焼きイナリもち」であった。
後ろ髪の引かれる思いで会場を後にし、事務所に戻り一通りの作業を終えてから餅料理三昧と相成った。

買ってきた餅料理の感想は次の通り。
「短角牛餅入メンチカツ」のもっちりとした食感に、溢れんばかりの肉汁に口内は完全に支配された。
暫しの間その至福感に浸りながらも、次は南部一郎かぼちゃ入りねぎもちや雁月、そしてマドレーヌへと手を伸ばした。
マンゴー並みの糖度があると云われる「南部一郎かぼちゃ」は、甘党の私にとって垂涎の一品と云っても過言ではない。もっちり感のある雁月やマドレーヌは実に美味しかった。
ただ、急に寒くなったことから、「ねぎもち」の原型を留めないまでレンジでチン・・・・・・チンしてしまった。
そのまま食べるべきだったと後悔しきりである。
機会をみて、直接若神子亭を訪れ、食べ直すことにしたい。

締めのデザートには、青森県黒石市の寺山餅店「三色くりぃむ大福」をじっくり堪能させていただいた。
白色が「ちーず大福」、真ん中の緑色が「抹茶・生クリーム大福」そして右側の赤色が「ちーずリンゴ餅」
三品とも一口サイズと若干物足りなさは感じたものの、これがまた上品な逸品であり実に美味しかった。
最後に白色の「ちーず大福」で締めを飾ったが、口のなかに円やかな甘さと、チーズの程よい酸味との絶妙なハーモニーが、至福感を一層高めてくれたのだった。
仕合せなひと時と妙味を十二分に堪能させていただいた秋の一日であった。
来秋の第13回全国もちフェスティバルが実に待ち遠しい。

餅食文化の一関   2020年6月25日
後藤家秘伝の餅料理   2013年6月9日


フォト短歌「三色もち」 フォト短歌「後藤家の餅」

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