エッセイコーナー
827.ラーメンにまつわる感動の物語り  2023年6月27日

一昨日(日曜日)の夕食も恒例の「ポツンと一軒家」を観賞しながら、手作りラーメン(インスタント)を堪能することができた。
最近ハマっているのがマルタイの棒ラーメンである。
今回はごま風味upの「ごま醤油味」。前回、前々回の「とんこつ味」とは一線を画す味わいだが、これまた十二分に堪能することができた。
本当はかまいたちの濱家が推奨する作り方を真似るつもりだったが、ラー油の買い置きがなかったことから、次回の楽しみに取っておくことにしたい。今回も魚肉ソーセージと野菜、シナチクたっぷりのいつもながらの内容だが、こちらも十二分に堪能できた。

私は昨年初頭から、朝日放送テレビ制作の「ポツンと一軒家」を観賞しながら週一回のラーメンに拘り、細やかながらも楽しみの一つとしている。
日本で初めて中華麺を食したのが水戸黄門(徳川光圀公)だとの説もあるが、黄門様のお陰で、今じゃなくてはならないソウルフード?の一品である。
そのラーメンに纏わる思い出話しや逸話を挙げれば枚挙に暇がない。
以前、「一杯のラーメン物語り」と題して、ブログ等に記載したことがあるが、ある人物の若かりし頃の一杯のラーメン物語りが、琴線に触れ、心が揺さぶられた記憶がある。

<再掲載情話>
一杯のラーメン物語
  2010年6月19日掲載分
人は皆、思わぬところで、一生を左右するであろう出来事や言葉に、人生の中で幾度か遭遇するものである。
大酒を飲んでは家人に愚痴をこぼし、時には暴力を振るうドメスティックバイオレンスや、多少のお金が入ったからといってギャンブルに手を出し、おけらになって肩を落として家路につく者。人、様ざまである。
そんな親の姿を見て、絶対そんな風にはなるまいと、不逞の親を反面教師とする者がいる反面、意思の弱さからか、親とそっくりに育つ子もいる。何れにせよ、子は親の背中を見て育つものである。
そんななか、父親の何気ない愛情や仕草によって、己の愚行、蛮行を改め、世界のトップにまで登り詰めた一人の人物がいる。

彼の生家は非常に貧しく、食うや食わずのその日暮らしであったそうだ。
彼は、そんな貧しさを恨み、やがては周囲にその憂さをぶつけるようになったそうだ。
そんな或る日、遂に警察沙汰となる事件を起こし、とうとう強制連行される羽目になったそうである。
当然父兄である父親が呼び出され、警察署で深々と頭を下げ、丁寧に深謝して無事に解放されたそうだ。
警察署を後にして家路につく途中、当然怒鳴られることを覚悟していたそうだが、父親は一言の文句も言わず、目線を落としながらただ黙々と歩を進めるばかりだったそうである。
するとそこに、ラーメン屋の暖簾が見えてきた。

父親はその暖簾の前で突然立ち止り、「オイ、腹減ってないか」と尋ねてきたそうだ。
暖簾をくぐり、注文しようと財布の中を覗いてみたところ、僅かに60円しか入っていなかったそうだ。
その当時はラーメン一杯分の値段が60円だったそうだ。
父親はそのなけなしの財布の底をはたき、ラーメンを一杯のみ注文してくれたそうだ。息子(彼)は貪るように、フーフーいいながら熱々のラーメンに武者振り付いたそうである。
息子(彼)が箸を置いたのを確認すると、父親は丼の底に僅かに残ったラーメンの汁に、コップの水を流し込んで一気に飲み干したそうである。

その瞬間、息子(彼)は心に誓ったそうだ。
立派な人間になって、父親にラーメンをたらふく食べさせようと・・・。
その息子(彼)とは、本名「鈴木有二」。広島国際学院大学現代社会学部客員教授、元WBC世界ライト級チャンピョン「ガッツ石松」その人である。


フォト短歌「棒ラーメンごま風味」  


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