エッセイコーナー
264.信用とは  2017年9月23日

一度信用を失ってしまうと、信頼回復は実に難しいのが現実だ。
一連の不倫疑惑や、パワハラ傷害疑惑など、有権者の信用を失ってしまうと再起は厳しいのではないだろうか。
また、身上もろもろの問題を抱えながら、疑惑に対する説明責任を逃れながらも解散に踏み切る国の最高責任者もいる。
政治家の本分とは、平和をもたらし、国民の安全な生活維持を最優先に政治的判断を下し、決断するものだと私は思っている。

先日の核兵器禁止条約の署名式には、世界で唯一の被爆国であり、尚且つ被曝を経験したにも係わらず出席しなかった。
国連総会での総理の演説では、北朝鮮に対する過激なメッセージ、「対話ではなく圧力だ」と云い放った。
宣戦布告とも受け取られかねないその過激な言動は、明らかに危機を煽り、日本国民を危険に曝す行為と云わざるを得ない。自ら戦争に導こうとしているようにも受け取れてならない。
唐突な衆議院解散宣言同様、なりふり構わぬ疑惑隠しの様相を呈しているように思えて仕方がない。

だいぶ横道にそれてしまったが、本題に戻りたい。
前述の不倫疑惑や、パワハラ傷害疑惑問題など、一度信用を失うと再起は致命的だ。
まず、兎にも角にも信用喪失は大変なことになるんだと云うことを肝に銘すべきである。
給食の異物混入問題の配給会社や病原性大腸菌0-157感染問題の惣菜会社など、たとえ故意ではなかったにしても、一度不祥事を出してしまうとその信用回復には途轍もない労力と時間を要するだろう。よほどの体力、財力がない限りは企業の存続或いは再起は難しいのではないだろうか。

刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
※この場合の電気は財物とみなされる(刑法245条)。

スマートフォンの充電に使う電気代は微々たるものだが、「このくらいならいいだろう」と身勝手であり、かつまた軽率な判断により、無断で充電する行為は窃盗罪にあたる。たとえ勤め先であっても、会社に無断で充電すればやはり窃盗になる。
以前コンビニの外壁から無断で携帯電話を充電した中学生2人が、「被害額1円」で書類送検されたケースもある。
金額の多寡は関係ない。

実は先日、些細な事だが非常に残念なことがあった。
閉館後に後片付けをしていると、ホールのコンセントに差し込まれたスマホ用の充電コードが目に飛び込んできた。
申し出があるならまだしも、誰からの申告もない。非常に残念なことだ。
たかがスマホの充電、金額にすれば微々たるものだ。しかし、無断利用は明らかに犯罪行為である。
しかしながらなによりも当人に対する信用喪失が一番悲しい。
被害額云々よりも、当人の信用を著しく失うことになる。たとえどんな些細なことであっても、一度信用を失ってしまうと再び信用を取り戻すのは並大抵の努力では無理と云うもの。

どんなことでもそうだが、金額の多寡や量の衆寡云々ではなく、気持ちの問題だと云うことを改めて考えさせられた出来事だった。
ただ、寛容の心も必要である。一方的に攻め、不正を正すばかりではいけない。
日本海を挟む険悪な気運の高まり、一触即発の緊迫した状況下にあるからこそ、極端に外圧的な対応になり過ぎぬよう、ただただ願うばかりである。


フォト短歌「蜘蛛の巣花」  


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