エッセイコーナー
615.次期総裁選及び総選挙の争点  2021年8月18日

東京五輪が無事に終わり、6日後の8月24日(火) から東京パラリンピックが始まる。
日本人選手団の活躍は元より、各国から出場する選手たちの健闘を願うとともに、新型コロナの更なる感染拡大を招くことなく、無事に終わることを願って已まない。

さて、東京パラリンピック後の大きな行事は、Withコロナに於ける日本の未来、命運をかけた衆議院総選挙が秋頃に行われる(筈)。
大方の予想では、このままでは自民党は敗北するのではないかとの懸念から、自民党総裁選の後にやるのではないかと目されている。
総裁選及び衆議院議員総選挙では、新型コロナの対応は元よりだが、新型コロナ禍によって浮き彫りになった国の在り方を問う、きわめて重要な選挙になりそうだ。

新型コロナ対策では、日本製のワクチンの遅れや、その元となる研究開発の遅れ、感染者を受け入れる医療施設の不足。初期対応にあたる保健所職員の人員不足などが問題となった。
また、社会全体に目を向けると、新型コロナの影響により、企業倒産や会社の整理、人員削減などによって職を失い、生活苦などを理由に自ら命を絶つ人たちや路頭に迷う人たちが急増している。
それらの根本的な原因として考えられる大きな要因は、なんといっても国是と云える「緊縮財政」にあると云わざるを得ない。

長らく続くデフレから脱却する上でも、その一番根っこの部分にスポットライトをあて、根本的な考え方や基本的理念を変え、国債発行などの財政出動による経済政策をしっかりと断行しなければならない。
でなければ日本の明日、未来は決して明るくないと云えるのではないだろうか。
そこで問題なのが、「借金ばかり増やせば破綻する」「借金を孫子の代に残すな」との破綻論者たちのプロパガンダとして未だにその意見が根強く、幅を利かせている。

しかしながらこの解釈は、金本位制当時の論意であり、管理通貨制度のもとで自国通貨を発行出来る、つまり通貨発行権を有する国(政府)には当て嵌まらない発想だと云えるのではないだろうか。
MMT理論を唱えるまでもなく、この原理は明らかに自明の理と云っても差し支えないのではないだろうか。
その原理、真理を具現化させる為には、大元である財務省が変わらないことには如何ともし難い。

本来なら国民の代表であり、国民の意思を重んずべき政治家の財務大臣や副大臣が、官僚らを諭し、説得しなければならない。
ところが、残念ながらすっかり取り込まれ、洗脳されたか、財務官僚のいいなり、唯々諾々と云った有り様だ。
本当ならば財務省がその考え方を改めるべきだが、彼らは公務員である。法律のもとで職を全うする義務を負っている。

財務法第一章 財政総則 第四条に次の法文がある。
「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」
つまり、「公共事業費などは国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行し、それを財源にできる」とはあるものの、国の歳出の基本は税金などを財源とし、国債などを財源とすべきでないと解釈できる。

しかしながら当法律は敗戦後まもなく施行されたもの。
時間経過に伴う、社会の変遷による価値基準の差異や制度の違いは明らかである。
参議院議員の西田昌司氏の弁を借りると、「GHQの指令、思惑によって作られ、日本に弓を引かさせない為、戦費を調達できないようにする為にGHQの介入によって作られたものだ」とのこと。
つまり、米国が日本を弱体化させる思惑が見え隠れする法律であると云わざるを得ない。
昭和22年の施行から73年。
この財政法にメスを入れるべき時が、遂に来たのではないだろうか。


フォト短歌「国是」  



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