エッセイコーナー
838.日本現代詩歌文学館 「短歌実作講座・今季最終回」2023‐3  2023年7月26日

本日、日本現代詩歌文学館主催による小島ゆかり(コスモス)先生による今年度最後となる短歌実作講座が行われた。
今回の注目歌人、前田康子さんの歌集『おかえり、いってらっしゃい』作品抄より12首を取り上げ、本日の講座が始まった。
特に、印象に残った一首。
三十年夫の首に巻きつきしネクタイ干物のごとく並びぬ
夫、つまり塔短歌会主宰の吉川宏志氏の首に巻かれてきたネクタイが干物のように並んでいる様子が目に浮かぶ。
実感のこもった一首である。

今は死語になったか禁止用語になってしまったかは知る由もないが、「男は敷居を跨げば七人の敵あり」干物のように並ぶネクタイは外界の荒波の飛沫を30年間浴びてきたに違いない。
私の巻いてきたネクタイよりは未だ綺麗に違いないが・・・。
前田康子さんの歌集より12首を取り上げ、怜悧で懇切丁寧な解説が展開され、今後の歌作に大変参考になったように思う。その後はいつも通り、我々受講者による掲出歌2首の添削及び寸評へと進んだ。
前回、前々回同様先陣を切ったのは私の拙歌2首。

一首目はウクライナ戦争が始まって間もなく詠んだ一首。二首目は鄙里の秋の情景を詠んだ一首。
フォト短歌には、添削して頂いた上の句を掲載してみた。
元歌は「リリカルな風がささやく穂仁王田の空に羽ばたく猩々蜻蛉」

一関市から北上市迄の移動距離は約40km程、決して近い距離ではない。しかしながら「学びの楽しさ」を、人生の折返し地点が過ぎて漸く知った自分にとって、然程苦にはならない距離である。
勿論、小島ゆかり先生の正鵠を得たご指摘によるアドバイス、気遣いに満ちたご指導があるからこそ、尚更ハンドルを握るのが苦にはならなかった。
もしまた来年も短歌実作講座が開催されるなら、初心に帰り、是非とも受講したいものである。
名残惜しみつつも、今季最後の講座の余韻に浸りながら会場を後にしたのだった。 


フォト短歌「風の秋」 ゆかり先生の歌集


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