エッセイコーナー
855.天変地異  2023年9月12日

父の百箇日が無事に終わった。特別な法要の儀は、あとは一周忌迄特にない。
ともあれ、一安心である。
今後はいつも通り、起床後にはそそくさと洗顔と歯磨きを済ませ、水とお茶、線香を仏壇にあげて拝礼し、その後に畑の様子を窺いながら散歩に出かける。そのルーティンを何年も続けている。
これからも余程の事が無い限り、黙々と続けていきたいと思う。

このような日常のルーティンを淡々と続けられるのも、有り難くも平和だからである。
世界ではアフガンやシリア、リビアやイエメン、そしてウクライナなど、何の罪のないごく一般の人たちが、幸せに暮らしていた我が家を、安住の地を一方的な暴力で奪われ、多くの人たちが路頭に迷っている。
銃弾に倒れた亭主や息子、空爆で生命を落とした家族や身内の葬儀など、法要も出来な状況にあるのではないだろうか。あまりにも不憫に思えてならない。
自然災害など、天災はやむ無しとしても、明らかな人災である戦争などは、如何なる理由があろうとも絶対に避けなければならない。


人災と云えば、故・後藤田正晴元副総裁が生前、「最初の自然災害は致し方ないが、二度目は人災だ」と云ったことを何かの本で目にしたことがある。
地球温暖化の影響もあってか、近年の災害は実に甚大である。
世界を見渡せば今年1月には歴史的洪水被害を齎した南スーダン。南東部のアフリカを襲ったサイクロンでは約1000人の生命が奪われた。
7月にはカナダの森林火災で900万ヘクタールが焼失。同じ山林火災では、8月のハワイ州マウイ島の火災も甚大な損害を被った。

同じ8月には中国の北京周辺で大規模な洪水が発生。9月に入り、香港でも過去に類を見ない記録的な豪雨により、多くの家屋が冠水した。
また、先日の9月8日に起きたモロッコ地震では死者が2000人以上、被災者は実に30万人以上ではないかとWHOが発表している。
勿論日本でも、九州北部や島根県、秋田豪雨では500軒もの浸水被害があるなど、被害は年々甚大化しいる。
世界各地で天変地異の脅威、猛威に晒されている。

「古来より、中国では天変地異は時の為政者の不徳を天が警告している、と解釈するらしい」と、何処かのコメント欄で目にしたが、天変地異はいつ、何時、何処で起こるかなど見当もつかない。
問題は「杞憂」であって欲しいと願いつつ、事前に対策を講じるや否やで、時の為政者の評価が分かれるのではないだろうか。
前述した後藤田正晴氏の金言を念頭に、「備えあらば憂い無し」。先ず以て被害を最小限に抑えるよう災害対策をしっかりと講じていただきたい。

関東大震災から100年。首都直下型地震への危惧。100年~150年周期で発生するとみられている南海トラフ巨大地震など、今後30年~40年以内に起きると予想されている。
そのことに対する対策は既に練られ、講じられているのだろうか。
決して人災にならぬよう願いたいものである。

東日本大震災10日間の記憶  2011年3月26日


フォト短歌「財政規律」
     

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